カテゴリー: 環境

  • Setting the Table 2025年9月16日

    WMO
    WMO Air Quality and Climate Bulletin highlights vicious cycle

    WMO(World Meteorological Organization / 世界気象機関)
    は気象、気候、水に関して、科学的根拠を提供し、
    環境保護や災害防止に関する国家間の調整の役割を担っています。

    このレポートでは大気中の微粒子”Tiny Particle”に焦点をあてて、
    大気汚染と気候変動の相互作用について警鐘を鳴らしています。

    Tiny Particleは人工的に合成された微粒子で、
    工業用途だけでなく、身近な環境で幅広く使用されています。

    粒径を微小化させることによって機能性をコントロールすることができるものもあり、
    例えばトナーやインクで使用されている
    カーボンブラックはストラクチャーと呼ばれる微粒子構造が、
    メディア媒体に定着したり、浸透したり、濃度を出したりする上で
    重要な機能を果たしています。

    Tiny Particleが産業の発展に果たしてきた役割は計り知れないものがあります。

    同時に、微粒子は煤煙等を通じて大気中に分散して浮遊します。

    PM2.5と呼ばれる粒径が2.5μm以下のTiny Particleは、
    人体に入って排出されず、健康被害をもたらすため問題となっています。

    そして、粒径が100μm以下のTiny Particleはエアロゾルと言われています。
    気候変動に対して甚大な影響を与えているエアロゾルは
    国境に関係なく、大気中を移動し、気候変動をもたらしているため、
    WMOはその対策のために国際的な協調が必要であることを訴えています。

    Tiny Particleは硫酸塩もあれば海塩もあり、
    様々な物質があるのでその測定は一義的にはできません。

    日本も大気汚染防止法等で予防法務に取り組んでおり、
    環境省が有害大気汚染物質測定方法マニュアル等で
    様々な物質の測定方法を示していますが、
    すべての物質を網羅することは物理的に困難と思われます。

    Tiny Particleは、
    大気中に簡単に排出される一方で、
    その測定が難しく、
    そして気候変動に大きな影響を与えます。

    技術的にも、経済的にも、政治的にも、
    この問題には
    各国が連携して取り組む必要があると思います。