カテゴリー: 国際

  • Setting the Table 2025年9月24日

    財務省 
    広報誌「ファイナンス」9月号
    地政学リスク・サプライチェーン分断の評価

    製品がどの国からどれくらいの金額、輸入されているか、
    については、
    統計的に把握することができます。

    一方でサプライチェーンは国際化しているので、
    必ずしも輸入元が製造工程の全てを担っているとは
    限りません。

    米国の関税政策によって、
    サプライチェーンの地政学リスクが高まっています。

    財務省大臣官房総合政策課は、
    このレポートで、
    付加価値貿易指標(TiVA)を用いて量を
    通過頻度指標(PTF)を用いて頻度を
    定量的に評価しています。

    日本へもたらされる付加価値額は
    米国と中国への依存度が高く、
    米国は横ばいであるのに対して、
    中国は伸び続けていること、
    2010年に中国が米国を抜いて以降、
    その差が開き続けていること
    が明らかになっています。

    日本の産業が、量的にも米国依存から中国依存に
    シフトしてきており、
    質的にもコンピュータや半導体などの
    産業のサプライチェーンにおける
    中国依存が高まっていることが分かります。

    多くの産業が設計を自国で行い、
    ファブレスという形で
    サプライチェーンを他国に依存することで、
    付加価値を確保してきました。

    米国の関税政策は
    日本企業のサプライチェーン全体に
    なにかしらの影響を及ぼすことは避けられないと思います。

    どのような影響があるか、
    明確に見通すことができない状況ですが、
    中国で確立されたサプライチェーンに
    日本の産業の付加価値が大きく依存していることは、
    対日関税同様に重要なテーマとして、
    認識をしておく必要があると思います。