カテゴリー: 技術

  • 防衛産業について考える

    規模と将来性

    日本の防衛予算は毎年1兆円規模で増えています。防衛費増強計画では2027年度には年間の防衛費の規模をGDP比2.0%まで引き上げるとされていましたが、現政権はこれを前倒しし、防衛費を増やす方針を掲げています。

    防衛費において大きな比率を閉めるのは防衛調達です。防衛調達の予算は令和6年度で4兆円となっており、家電産業の市場規模よりも大きいです。

    そして、政府は防衛生産・技術基盤を国内に維持し、強化する必要性を明確に打ち出しています。

    防衛産業は市場規模が非常に大きく、かつ高い成長が見込まれ、しかも政策として国内での産業基盤強化が必要とされている産業と言えます。

    プレイヤー

    防衛産業のプレイヤーには他の産業同様、大企業と中小企業があります。大企業には、三菱重工、川崎重工、IHI、SUBARUなどがありますが、これらの大企業において防衛産業の売上構成比は低いです。

    防衛産業は自動車などと違って、専業ではなく、兼業の場合が多いと言えます。例えば船舶用の軸受を専業としているメーカーが、防衛のための潜水艦用に特殊な軸受を供給する、といった場合があります。

    なぜ防衛専業企業が少ないのか?

    防衛向けに部材を提供することは国防を担う大きな責任を伴います。

    • 仕様等の守秘は厳密な体制で管理することはもちろん、その生産や流通等の活動において用途が防衛であることを言及することにも慎重な対応が求められます。
    • 情報の流出・漏洩を防ぐためにサイバーセキュリティの対応を完備することはもちろんのこと、情報を管理するサーバーも場合によっては国内に限定するといった対応も検討する必要があります。
    • 供給責任は民間企業向けと比べても重いと言えます。その一方で、同じ製品を他の民間企業に販売することは困難です。
    • 海外向けに販売する場合、安全保障輸出管理の上で特に厳格な手続きが必要です。
    • 高度な技術力が求められます。国からの技術的な要求にも対応していく必要があります。

    参入の魅力

    このように、市場の規模と成長性が高くても、防衛産業は参入するにあたってのハードルは高い産業と言えます。

    しかしながら、防衛産業で求められるサイバーセキュリティや守秘等の体制は、民生用のビジネスでもますます強化が求められる領域となります。

    視点を変えれば、防衛調達に対応できる管理能力があれば、あらゆる産業の要請に対応できると言えます。

    今回の補正予算の国会討論で防衛大臣から随意契約も念頭に入れる旨の答弁がありました。ベンチャーの参画にも期待し歓迎する旨の内容もありました。

    防衛産業は非常に裾野の広い産業です。参入を検討してみてはいかがでしょうか?

    防衛調達に対応するために必要な体制面の整備や参入の方法についてより詳しい情報をお求めの場合、本サイトのお問い合わせからご連絡ください。