金融庁
「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP)」
日本はFinTechに対する法制度の整備が進んでいます。
諸外国からすると日本はFinTechで参入することが難しい国であり、
日本国内企業からすると日本でFinTechビジネスをする上では
行政の方向性を把握して、一歩一歩取り組める国と言えます。
早い段階でFinTechをポジティブに捉え、
未整備の内容を整理しながら、民間企業へのヒアリング、
諸外国の事例の情報収集を進めて、
土台を固めてきたのが金融庁です。
仮想通貨は民間主導で導入されてきた結果、
決済メカニズムが各サービスで分断されていて、
決済インフラを統一することは困難です。
また国際的に確立されている金融制度の適正な運営・維持のためには、
暗号資産と法定通貨との明確な線引きも必要であり、
自国の通貨制度とはいえ、独自で確立できる内容にも限度があります。
そういった中で、この
FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクトでは
3メガバンク、信託銀行、大手商社と
ステーブルコイン含めたデジタルアセットのプラットフォーム事業者が
プロジェクト立ち上げと同時に支援が決定されました。
支援決定のための項目は以下の通りとなっています。
【チェック項目】
- 実験内容と論点が明らかであること(明確性)
- サービスの実現によって我が国における利用者利便や企業の生産性の向上が見込まれること(社会的意義)
- 実現しようとするサービスに革新性が認められること(革新性)
- 実証実験に一般利用者が参加する場合には、利用者への説明を含め、利用者保護上の対応を適切に行うこと(利用者保護)
- 実証実験を行うのに必要な資金・人員等のリソースが確保されていること(実験の遂行可能性)
「決済高度化」という観点で、実証段階に入っていることを改めて感じます。
現時点で、日本の電子決済インフラの未整備に不満をもつ外国人旅行者は少なくありません。
FinTechにおけるデジタルマネーという点で、
決済の電子化そのものは、実装段階では日本のペースは諸外国と比べて遅れていると言えるかも知れません。
一方で、FinTechにおける暗号試算という点で、
法整備が最も進んでいる日本は、
国際社会をリードできるポテンシャルを持っていると思います。
円そのものは弱くなっています。
この実証実験から、決済についてのイノベーションが生まれ、
FinTechが日本経済を牽引する産業になることを望みます。