カテゴリー: 技術

  • Setting the Table 2026年10月8日

    国土交通省
    海事レポート2026 – 我が国造船業の再生

    国土交通省より「海事レポート2026」が公表されています。
    特集の「我が国造船業の再生」「昭和100年〜昭和と海事産業」では、造船業のこれまで、現状、これからがとてもわかりやすくまとまっています。

    <計画造船>

    太平洋戦争で壊滅した日本商船隊を復興するために、国の計画的な資金援助の下に民間海運企業が行う船舶建造制度である計画造船を1947年から開始し、1987年の第43計画まで実施。

    <日本の造船業の現状>

    かつて日本の製造業は世界トップシェアを誇っていたが、1980年代以降の韓国、2000年代以降の中国の台頭により国際競争が激化。日本の建造量は縮小傾向。
    日本は韓国や中国の造船所と比較して、事業所の規模が小さく、船価が相対的に高く、深刻な人材不足。
    日本の造船所の建造能力は日本の船主の発注需要を下回っている。2022年以降、日本船主による中国造船所への発注が大きく増加

    <世界の造船市場の動向>

    中国は2024年の世界の建造量のうち約50%を建造、世界の7割超の受注。今後もシェアは拡大すると見込まれ、世界市場支配を進めている。

    <我が国造船業の再生>

    • 造船再生基金:経済安全保障推進法に基づき「船体」を特定重要物資に指定
    • AIの活用による次世代造船所の実現に向けた技術開発
    • 大学等における造船教育の体制強化や大学間又は大学・産業間の連携体制の構築
    • 特定技能・育成就労を活用し外国人財の適正な受け入れ
    • GX経済移行債によるゼロエミッション船の建造・普及促進
    • 船舶の特別償却制度・買換特例制度をはじめとする海運税制
    • 同志国・グローバルサウスとの連携

    <船舶修繕>

    国内で修繕需要が見込まれる外航船・官公庁船・内航船の修繕能力向上、海事産業群内でのデータの共有化、総合的な人材確保・育成 

    <LNG運搬船>

    需要サイドと供給サイドの協働に関する合意に基づき、国内造船所の供給体制の構築を図る

    <所感>

    かつての日本の造船産業の隆興に政府の支援がありました。韓国・中国もかつての日本と同様の政府による支援で造船産業を発展させてきたことを考えると、再び政府の支援を手厚くしただけでは日本の造船産業のシェアは取り戻せないと思います。

    造船業の復興においても、キーワードは環境・技術・国際と言えます。
    塗料や軸受・シーリングなど、船舶用材料や部品では世界トップの日本企業があります。
    日本の各産業の技術を結集していくことが必要と思います。