長い間、東京と大阪を往復する経験をしています。東海道新幹線がいつも一杯なことから、東京と大阪を往復している人は、すごくたくさんいると思います。
ざっくりと、新幹線に1000人、1日に400本の新幹線が東京・大阪間を走っているとして、仮に全部満席だと考えた場合、1週間で片道280万人。
この計算が概ね事実に近いのか、それとも大きく外れているかどうかは分かりませんが、いずれにしても、奈良市の人口をはるかに超える数の人が、何かしら、東京と大阪の間を往復しています。
その結果、東京と、大阪が、似てくる部分もあれば、違ってくる部分もあると思います。
おそらく大阪で成功した小売店は、東京に進出しようとすると思います。東京に進出することで、東京の町に新しい影響を与えることになり、逆に東京の町から影響を受けて、大阪の店にも変化をもたらすことになるでしょう。こうやって、お互いに学び合いながら、だんだんと似ていくことになると思います。
一方で、東京に進出することで、大阪ならではの良さに気がつくことがあります。その場合は、大阪の良さを維持しよう、さらに伸ばそうという気持ちにつながります。この場合は、良い意味で、大阪と東京の違いを引き立てていくことになります。
いろんなものが混ざり合うっていうことは、自分にはない良いものを取り入れるというメリットと、人にはない自分の良いところに気がつくというメリットの両方があります。ダイバーシティ経営ではこのメリットたちをビジネスに取り入れました。特にアメリカ西海岸では、世界中から、良いものを持ち寄った人たちが集まって、相互に刺激しあって、共創して、革命とも呼べる様々な技術が生まれました。
日本は島国で、長い間海外からの移住も、外国法人の設立も難しい環境だったので、この混ざり合って交流するというメリットが生かせないでいました。
それでも自動車や家電製品などの消費財の分野では、世界中に拠点を構え、現地で日本らしさを持ちながら各国市場から学びながら、世界中で受け入れられる製品を磨き上げ続けてきました。
工作機械などの資本財の分野でも、世界中の顧客企業に対して、日本らしさを持ちながら、世界中の一流企業からの信頼を獲得してきました。
インターネットの時代になって、「日本らしさ」に気が付きにくくなっています。ゲームやアニメなどのコンテンツ産業では「日本らしさ」をクリエーターの方々は発揮してくれていますが、製造業ではインターネット時代における「日本らしさ」の定義が難しくなりつつあります。
日本らしさが、発信できないと、日本に学びに来ようという優秀な人材を惹きつけることができません。日本に学びに来ようという優秀な人材が少ないと、日本の外から学ぶ機会も減ることになります。
写真は自宅の近く。奈良らしさは、歴史、そして自然。どこに住んでも、徒歩圏内に国宝や重要文化財や世界遺産があったりします。東西南北どの方向に進んでも、写真のような様々な色のある景色に出会うことができます。どこで人とすれ違っても、挨拶をすれば、笑顔で挨拶をかえしてくれます。こんな街は、世界中探しても、なかなかないと思います。
奈良に住んで、奈良の企業と一緒に働いているだけだと、その無二の価値に気がつきませんが、奈良の外に出る度に、奈良の良さに気がつきます。
日本酒、ウイスキー、ワイン、日本茶など、世界に出ることで、日本国内での価値が高まった銘柄がたくさんあります。
日本企業は、用事がなくても、とりあえず海外に行って、いろんなものを見てくることが、必要なタイミングではないかな、と感じます。
円高の時よりも、円安の今、海外に行くことで、見えてくるものがたくさんあると思います。
