環境配慮契約法

環境配慮契約法は、国や独立行政法人、国立大学法人、地方公共団体等の公共機関が契約を結ぶ際に、価格に加えて環境性能を含めて総合的に評価し、もっとも優れた製品やサービス等を提供する者と契約する仕組みを作り、もって、環境保全の技術や知恵が経済的にも報われる、新しい経済社会を構築することを目指し2007年11月に施行されました。

国の機関や独立行政法人等が契約する内容として以下のものが列挙されています。

  • 電気の供給を受ける契約
  • 自動車の購入及び賃貸借にかかる契約
  • 船舶の調達に係る契約
  • 建築物に係る契約
  • 建築物の設計に係る契約
  • 建築物の維持管理に係る契約
  • 建築物の回収に係る契約
  • 産業廃棄物の処理に係る契約
  • 環境に配慮したOA機器の調達

詳細は2023年2月の「環境配慮契約法に基づく基本方針」、2025年2月の「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針(環境配慮契約法基本方針)関連資料」に記載されています。

この環境配慮契約法に基づく基本方針は必要に応じて見直しを行うこととされており、令和7年度も「令和7年度環境配慮契約法基本方針検討会」が開催されています。

国の機関や独立行政法人等に供給をしようとする事業者は、この基本方針を理解した上で、適合する内容で提案を行う必要があることになります。

例えば、電気の供給を受ける契約では、入札に参加する者に必要な資格として、温室効果ガス等の排出の程度を示す係数、環 境への負荷の低減に関する取組の状況(再生可能エネルギーの導入状況、未利用エネルギーの活用状況)並びに電源構成及び温室効果ガス等の排出の程度を示す係数の開示の状況等を定めることが必要です。

また、建築の設計に係る契約については温室効果ガス等の排出の削減に配慮する内容を含む技術提案が求められ、

  • 設計成果に求める施設の長寿命化、省エネルギー・省資源、自然エネルギーの利用、環境負荷低減に配慮した木材等の資機材の利用等を踏まえた環境保全性能
  • 必 要に応じ、エネルギー管理機能の導入

等を契約図書に明記するものと定められています。建築物の維持管理に係る契約においても温室効果ガス等の排出の削減に配慮した内容を契約図書に明記するものとされています。建築物の改修に係る契約についてはESCO事業とその他の省エネ回収事業に係る契約と分けて定められており、その他の省エネ改修事業の立案に当たっては、当該施設の運用段階におけるエネ
ルギー消費量等のデータの活用に努めるとともに、必要に応じ、改修後の維持管理における運用改善に資するエネルギー管理機能の拡充を図るものとする、とされています。

産業廃棄物の処理に係る契約については、入札に参加する者に必要な資格として、温室効果ガス等の排出削減に関する取組の状況並びに適正な産業廃棄物処理の実施に関する能力及び実績等を定めた上で、裾切り方式によるものとする、とされています。

このように、国及び国の機関と契約をする際には、「温室効果ガス等の排出削減」の効果が価格同様の競争入札の要件となっております。国及び国の機関と契約をするにあたって、提供しようとする財・サービスについて、どれくらいの温室効果ガス削減効果を期待することができるか、示すことができる必要があります。