国土交通省
「群マネの手引き Ver.1(群マネ入門超百科)」を公表します
「群マネ」とは地域インフラ再生戦略マネジメントを意味します。
インフラの管理が自治体等それぞれの管轄で行われているところ、
自治体やインフラ分野の枠を超えて、広域的に群としてとらえ、
リソースを効率的・効果的に活用することで、
メンテナンスをしていこうという考え方となります。
この「手引きVer.1」には以下のような
生々しいデータが紹介されています。
* 2025年に2020年対比で30%以上減少する市区町村が約6割
* 2050年に人口1万人未満になる市区町村が約4割
* 2040年度、建設後50年以上経過する道路橋梁数は全体の75%
* 現在技術系職員数0人の市区町村の割合が25%
* 過去30年の間に市区町村の土木部門職員数26%減少
* 過去30年の間に建設業従業者数30%減少
万が一老朽化したインフラが放置されると、
通常の生活を送ることができなくなり、
事故のリスクも高まりますが、
上記のデータを見る限り、
適切なメンテナンスを行うことは困難と思わざるを得ません。
群マネでは、
束でマネジメント戦略をたてて
メンテナンス業務の効率化を目指す
ことになります。
自治体の束:発注者としての連携体制
技術者の束:人材育成、技術者連携のネットワーク化
事業者の束:受注者としての連携体制
プロセスの束:点検、補修設計、工事など
時間軸の束:複数年契約など
データの束:インフラの状態や対応状況等
学の束:自治体等へ助言・支援する学識者
住民の束:住民が「自分事」として参画
群マネとして、
自治体の枠を越えてマネジメントする
「広域連合の郡マネ」
と
インフラ分野の枠を越えてマネジメントする
「多分野連携の郡マネ」
が紹介されていますが、
この資料を見る限りは
いずれも前から存在していた考え方に名前をつけたものに過ぎず、
画期的な仕組みや確固たる運営モデルが存在しているようには思えません。
結局は、
単独ではできないことを複数で取り組むことの
メリットを追求していくために、
それぞれが創意工夫して考えましょう
ということであると思います。
どの組織でもそうですが、
単独よりも大勢の方が大きな仕事ができて、
かつ効率的な仕事ができます。
その一方で、組織が大きくなればなるほど、
利害の調整が難しくなり、
動きは遅くなります。
群マネが理想論でなく、
実効性を伴うためには、
強いリーダーシップが必要になると思います。
群マネはすでに行われているものであり、
この資料はその考え方と取り組み事例を
共有するためのものと思います。
課題があるところには、
新しい取り組みが生まれ、
そこで新しいリーダーシップが誕生します。
こういった取り組みで
リーダーシップを発揮できる若い人材が、
いずれ国を率いるリーダーに
なると思います。