環境省
人工光合成の社会実装ロードマップ
<CCUとは>
素材産業など脱炭素化を最大限進めてもCO2排出が
ゼロとならない分野があります。
そこでCO2排出を可能な限り低減した上で、
なお排出されるCO2を資源として別の資源に
転換する技術を
Carbon Capture and Utilizationと言います。
<人工光合成とは>
CCU技術の一つであり、
太陽と水、CO2等を用いて
水素の生成やCO2還元生成物の合成をする技術です。
光触媒や光電極を利用した技術が該当します。
生成物としては水素の他、
炭素1つを含む一酸化炭素、蟻酸、メタノール等の物質、
炭素2つ以上を含むエチレン、エタノール等の物質
があります。
これらは燃料として、
または別の燃料、肥料、樹脂等の原料として、
利用されます。
<社会実装ロードマップ>
初期段階:各技術の基礎性能向上やスケールアップ
中長期:製造コスト低減、耐久性向上、サプライチェーン実装
<目標>
2030年に人工光合成技術の一部を社会実装し、
既存技術と組み合わせた製品化を進め、
2040年には、人工光合成技術による
基礎原料の量産化やこう付加価値物質の製造を
実現し、ネット・ゼロ実現に貢献することを目指します。
<所感>
人工光合成の技術、素材技術、アプリケーション開発技術の
いずれもが必要とされる取組です。
日本企業は個々の開発を得意としていますが、
社会実装をするためには、
異なる技術を持つ企業同士の連携やネットワークが
必要になってくると思います。
隠れた企業が、秘めた技術を持っている可能性が高いです。
一部の閉ざされた企業での取組ではなく、
国内外含めて、尖った技術を持つ企業同士を
ネットワークでつなげてマッチングできるような、
そんな新たな試みが必要なのではと思います。
日本の商社はそういった機能を保有しており、
商社の活躍に期待したいです。