グローバル・サプライチェーン
- 中国工場で生産をして日本に輸入する。
- アメリカ市場に販売するためにメキシコで生産する。
- ヨーロッパ向け製品をハンガリーやチェコでアセンブリする。
加工やアセンブリのビジネスにおいてはこういった海外リソースの活用が行われてきました。
グローバル・サプライチェーンを構築することは、それぞれの市場に応じた製品を効率的に生産・投入するうえで、重要な経営戦略です。
人件費が安いから海外リソースを活用するという考え方は徐々に成り立たなくなってきていますが、グローバル・サプライチェーンの重要性はこれからも変わらないと思います。
オフショア拠点
ICT技術の進展とともに、オフショアも進みました。
例えば、中国の大連はITのオフショア開発拠点としてもBPO拠点としても今も多くの日本企業を支えています。ベトナムのハノイにも多くの日本企業のオフショア開発拠点があります。
一方、インドは欧米のオフショア開発として大きな成長をしました。今はインドをオフショア拠点としている日本企業も少なくありません。
人件費が安いからオフショアをするという考え方は徐々に成り立たなくなってきていますが、オフショアの重要性はこれからも変わらないと思います。
競合となる新興国企業
サプライチェーンにしても、オフショア開発にしても、日米欧の企業は各拠点に様々な技術を提供しました。
そして、新興国は日米欧の企業の技術やノウハウを吸収し、独自の技術も磨いてきました。中国の自動車メーカー、家電メーカー、通信機器メーカーのように、今では世界中の市場で日米欧のシェアを脅かすほどの存在になっている企業も多数存在しています。
フリーランスの活用
サプライチェーンやオフショア拠点の拡大は、日米欧に製品やシステムを提供できるだけの技術をもったローカルの人材を育成することになりました。
そうやって育った人材の中には、先に述べたように、培ってきた技術を活かして、先進国企業に負けないグローバル企業を立ち上げようという人材もいれば、そうではなく、先進国企業のパートナーとして働きたいという人材もいます。
こういった優秀な人材をフリーランスとして活用する事例も出てきています。
例えば、南アフリカのデザイナーを活用して、欧州向けの資料を作成する、インドのエンジニアを活用して、世界中にコンテンツを提供するシステムを開発・運営する、など。
このように、世界中にいるフリーランの中から最適な人材を発掘して活用することも、グローバル競争力を向上させる上での重要なファクターとなってきています。
ベンダー・マネジメントノウハウ
海外新興国のフリーランスのマネジメントは簡単ではありません。
- 実際に能力がある
- アウトプットの期待値を理解できる
- 約束した品質レベルのアウトプットを得る
- 約束した納期を守る
最低限、これらを満たすことを確認した上で、コスト含めた契約を合意し、コミュニケーションを進めながらプロジェクトを完遂させなければなりません。
こういったベンダーマネジメント・ノウハウを持っている企業は、多数のフリーランスを抱え、様々な要件・要求に幅広いリソースで対応をすることができます。