カテゴリー: 環境

  • Setting the Table 2026年9月25日

    農林水産省
    農林水産分野GX技術海外展開パッケージ(MIDORI∞INFINITY、ミドリ・インフィニティ)

    食料安全保障の確保に向けては温室効果ガス削減だけでなく、気候変更、循環経済、生物多様性の保全を一体的に進めることで、農林水産業の持続可能性や生産基盤の強靭性を高めていくことが重要です。

    そういった中で、日本の民間企業にはこういった課題に対応できる技術・ノウハウがあり、それらの技術・ノウハウを海外に展開する施策が「農林水産業GX技術海外展開パッケージ」としてまとめられました。

    具体的には以下のような取組に対応する技術となります。

    • 水田メタン排出削減
    • 農地土壌の炭素貯留の拡大
    • 施肥に伴う二酸化窒素排出削減
    • 畜産由来のメタン・二酸化窒素排出削減
    • 森林減少・劣化由来の二酸化炭素排出削減・森林吸収源の増大
    • 気候変動に対するレジリエンス強化

    これらの技術を海外展開するために、以下のような施策が例示されています。

    • 海外展開に当たっての枠組み・進め方、地域別の海外展開の方向性・技術を整理
    • 気候変動対策に資する農業栽培技術等の開発等に向けた国際共同研究等を推進
    • 気候変動対策を含む食料・農林水産分野の諸課題を解決するイノベーションや実装化を担うスタートアップを育成する取組を実施
    • みどり脱炭素海外展開コンソーシアムや在外公館のネットワークを活用し、国内外パートナー・相手国政府とのマッチング等を支援
    • JETROが有するプラットフォームやJICAのビジネス支援事業等を活用し、中堅・中小企業等による海外ビジネス展開を支援
    • 海外ビジネス投資の加速化に向け、各種支援ツール情報等の共有・循環の促進や、政府系機関等による投融資制度を通じた支援を実施
    • 我が国技術の各国・地域タクソノミーへの採択を推進
    • JCM(二国間クレジット制度)枠組みの活用
    • アジア・ゼロエミッション共同体の活用
    • 日ASEANみどり協力プランの活用
    • グローバルみどり協力プランの活用
    • 農業・農村開発協力における気候変動対策の取組戦略

    <所感>

    日本では高度成長期にさまざまな公害が発生し、それらへの対策が進められてきました。
    公害への対策は民間企業の中でノウハウとして蓄積されています。
    そのため、民間企業に環境問題解決に資する技術があることは間違いないですし、こういった技術を海外に展開している企業はずいぶん前から存在しています。

    その一方で、現場の感覚として、環境関連技術の海外展開は、社会課題解決的なアプローチは難しいです。
    特に農林水産業は地域性に依存するため、よい技術が理解されるまで相当の時間がかかると思います。

    それを施策として制度的に支援していこうというのがこの農林水産業GX技術海外展開パッケージであると感じます。
    その観点からいうと、肝煎りの施策はJCM枠組みの活用と思います。

    民間企業独自ではできない取組であり、あらゆる分野で、行政と民間企業の二人三脚が進み出している気配を感じます。
    一つ事例ができれば、広がる可能性がある施策と思います。