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  • Setting the Table 2025年9月11日

    総務省
    高高度プラットフォーム(HAPS)の技術的条件

    <高高度プラットフォーム(HAPS)>

    高度20kmから50kmまでの
    成層圏を飛行する無人航空機に
    携帯電話基地局を搭載したものです。

    <既存の携帯電話基地局>

    現在の携帯電話の通信は、
    地上の基地局を経由しています。

    基地局は建物で、
    その中に有線ケーブルが引かれています。
    基地局同士が有線ケーブルでつながっています。

    それぞれの基地局が携帯電話からの
    電波を受信することで、
    携帯電話による通信が可能になっています。

    <つながらないがなくなる>

    基地局が幅広く配置されていることで、
    携帯電話による通信が可能なエリアが
    確保されています。

    しかしながら、山の中、海の上など、
    物理的に基地局が建設できない場所では、
    携帯電話はつながりません。

    また、特定のエリアで通信需要が集中すると、
    定められた基地局のキャパでは
    対応しきれないことが発生します。

    こういった「つながらない」を解消する技術の一つが
    移動する基地局であるHAPSです。

    <衛星通信とHAPS>

    「つながらない」を解消する技術には、
    衛星電話があります。

    しかしながら衛星電話での通信を実現する
    人工衛星は地球から遠いところに位置しており、
    データが往復する距離が長く、
    スマートフォンのような
    通信のニーズに対応するためには
    大量の人工衛星が必要です。

    当然コストも高くなります。

    一方でHAPSは地上からの距離が近いので、
    スマートフォン、IoT含めた、
    様々な通信ニーズに対応できることが期待されています。

    <HAPSの技術>

    HAPSには、
    携帯電話端末との通信を実現する技術だけでなく
    「無人」で飛行を続けるための、
    センシングと通信の技術が必要となります。

    空中で無人で自律的に飛行を続けながら、
    携帯電話から受信する電波を処理するという
    2つの大きな仕事を同時に両立させなければなりません。

    しかも、有限な資源である周波数帯を使用します。

    既存のシステムが使用している周波数帯との両立、
    そして干渉も重要な技術的検討事項となります。

    今回のパブリックコメント募集では、
    携帯電話含めた様々な技術とHAPSとの
    共用、干渉について検証されています。