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  • Setting the Table 2025年9月1日

    Intergovernmental Negotiating Committee on Plastic Pollution

    <INC-5.2>

    8月5日から15日まで
    スイスのジュネーヴにて
    海洋汚染含めたプラスチック汚染について
    INC-5.2の会合が開催されました。

    2024年に韓国釜山で開催された会合の
    続きであり、法的拘束力のある合意を目指し、
    183ヵ国が約1400の代表使節団を送り、
    400を超える組織から1000近くのオブザーバーが参加するなど
    大規模な会合となりました。

    日本からも中田宏環境副大臣はじめ、
    外務省、経産省、環境省、農水省の幹部も参加しています。

    残念ながら今回も合意に至ることは出来ず、
    今後に持ち越しとなりました。

    <不合意の理由>

    World Economic Forumが、
    会合の内容をレポートとして公表しています。

    各国の隔たりが大きかったのが、

    • プラスチックの製造方法
    • 懸念対象の化学物質
    • 金融メカニズムの設計と実装

    などのスコープとのこと。

    その他、

    国際的な拘束力のある枠組みとするか、
    それとも国家レベルでの自発的な枠組みとするか、

    将来の決定プロセスをコンセンサス方式とするか、
    投票方式とするかなど、

    合意そのものや手続きについても
    まだ隔たりが存在している状況のようです。

    プラスチックの廃棄量は2025年に10億トンに達し、
    2060年までに17億トンまでになるとのこと。

    毎年4.6億トンのプラスチックが製造され、
    そのうち2000万トンが
    大気、水、土壌、氷などの汚染する結果になっており、
    それらは飲料水、食料に含まれ、
    人体に取り込まれることになります。

    プラスチックが普及したのは第二次世界大戦時であり、
    まだ100年も経っていません。

    早急な対応が望まれます。