カテゴリー: Quality of Life

  • Setting the Table 2026年1月15日

    国土交通省

    都市計画基本問題小委員会 中間とりまとめ
    〜「令和の都市(まち)リノベーション」の推進に向けて〜


    「都市における業務施設・集客施設の立地のあり方に関する分析・検討ワーキンググループ」とりまとめ
    〜都市における業務施設・集客施設の集積によるコンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展に向けて~

    令和8年1月14日、国土交通省の2つの異なるプロジェクトのとりまとめ(中間とりまとめ)が公表されました。

    社会保障はじめ、日本の様々な制度は人口増加を前提に設計されてきて、人口減少時代にあって制度設計の見直しが必要となっています。

    都市については、人口増加時代にあっても人口減少時代にあっても、いずれも大都市への都市流入が続いており、雇用や税制面における大都市の魅力は高まる一方で、地方都市には財政面でたちゆかなくなる危機に直面しているところも少なくありません。

    そういった状況の中で、

    「都市計画基本問題小委員会」では、地域に民間投資を呼び込み、個性ある都市空間をつくる今後の都市政策の方向性がとりまとめられています。

    「都市における業務施設・集客施設の立地のあり方に関する分析・検討ワーキンググループ」では、居住と生活サービス機能に加え、業務施設、業務支援施設、集客施設の立地を誘導し、職場・産業との近接性を確保すること、来訪者・滞在者を呼び込み都市機能の維持・向上につなげることについて、とりまとめられています。

    それぞれ異なる組織で取り組まれているプロジェクトですが、地域の魅力を高める上でともに一定の方向性を指し示した内容となっているのでここで紹介させていただきます。

    1.〜「令和の都市(まち)リノベーション」の推進に向けて〜

    都市機能、地域固有の魅力、付加価値、防災の4つのポイントからまとめられています。

    <所感>

    日本では大規模な国際イベントは東京・横浜・大阪・名古屋・福岡といった大都市で開催される傾向にありますが、このイノベーションが実現することで、日本の様々な地方都市で大規模な国際イベントが誘致できるようになるのではないかと思います。

    人口が少なくても、多くの外国人観光客を惹きつけている金沢・高山・角館などの地方都市はリノベーションへの高い潜在性を持っており、すでにかなり進んでいるところもあると感じます。

    地方都市が、地域に住むの人々にとっても、地域を訪れる人々にとっても、魅力が高まる都市にリノベーションしていく中で、一定の指針を提供する内容になっていると思います。

    2.~都市における業務施設・集客施設の集積によるコンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展に向けて~

    北海道札幌市、熊本県熊本市、和歌山県和歌山市、新潟県長岡市、岩手県紫波町、山口県防府市、栃木県宇都宮市、愛知県瀬戸市、兵庫県尼崎市の10都市をモデル都市としてまちなかエリアへの立地誘導を先行的に進めた結果に基づく結果を取りまとめています。

    生活利便性の向上、施設やこれらをつなぐ公共交通の持続性の向上、地域の稼ぐ力と賑わいの創出といった効果に加え、様々な波及的な効果が報告されています。

    <所感>

    高度成長期に、地方都市は地方に工場を誘致して雇用を高め、地域インフラも合わせて整備してきました。人口減少、そして生産拠点の海外移転に伴い、近年状況は大きく変わっています。

    このとりまとめは、人口減少時代に都市機能を「維持」していくための施策として、まちなかへの業務施設の誘致という大きな方向性を市町村に提供する内容になっていると思います。

    地域によって状況が異なるため、モデル都市で検討されてきた内容がすべての都市にあてはまるということはないと思います。業務施設等を立地適正化計画に位置付ける場合の留意点として「単独の市町村の視点のみならず、広域的な見地も踏まえた計画となっていること」が挙げられていますが、この部分については市町村ではなく都道府県、場合によっては国がある程度関与してくことが必要な地域もあるのではないかと思います。