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  • Setting the Table 2026年3月24日

    金融庁
    企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会

    金融資産を株、債券、為替など様々な金融商品に分散させることがリスクヘッジになることと同様に、事業を分散すること自体は、リスクヘッジになり、ある事業のリスクを他の事業でカバーすることができます。

    例えば現在石油関連ビジネスはイランにおける情勢の影響で不安定になっていますが、石油依存度の高い事業を行なっている企業が、石油に依存しない事業もあわせて行なっていれば、企業としてのリスクは分散します。

    一方で、事業を分散させると、リスクを集中的に管理することが難しくなります。

    金融庁のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会では、先進的な企業の事例を元に事業継続性を高めるためのリスクマネジメントにおける現状の課題とグローバルスタンダードを踏まえた検討が行われています。

    資料から一部抜粋させていただきます。

    <リスクマネジメント高度化の意義>

    • リスクマネジメントの高度化は、企業の成長投資を後押しするためのカギである。
    • 保険活用により、例えば、事業の予見可能性向上、キャッシュフロー安定化、リスクバッファ資本の低減に資すると考えられる。

    <日本企業における現状と課題>

    【リスクファイナンス】

    • 損害保険の手配が事業部門や総務部門単位で行われるケースが多く、全社的なリスクアセスメントに基づく付保設計が難しい
    • 保険を「コスト」と捉える傾向が強く、キャプティブの活用など戦略的なリスク移転手段が十分に活用されていないとの指摘がある。

    【リスクコントロール】

    予防投資が後回しになりがち。BCPについても、予防策との十分な連動がなされず、事後対応を中心とした計画にとどまる事例が見受けられる。事業の構想段階・設計段階からの検討が不十分なケースも。

    【レジリエンス】

    実務面では、迅速な復旧体制等が十分に整っていないケースもあり、国内外の大規模事故等といった予期せぬ事態が発生した場合、復旧が長期化し、結果として損失が拡大する可能性がある。

    【経営陣の関与・リスクマネジメント文化】

    • 経営陣が主体的に関与する仕組みが十分でない。
    • 日本には「失敗に避ける文化」が根強く、リスクを積極的に議論・開示することが敬遠されがち。このため、損害保険会社へのリスクデータの提供が不十分であったり、リスク対応が事後型になり、潜在リスクを早期に把握し、事前に対策を講じる仕組みが十分に機能していない。また、リスクを「脅威」としてのみ捉え、価値創造につなげる視点が不足している。

    <所感>

    上記、第2回企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会 資料1事務局説明資料(経済産業省、金融庁)の4ページ目、5ページ目の内容をそのまま抜粋させていただきました。

    日本企業のマネジメントについて、非常に的を射た内容であると感じます。

    BCPにおいて、災害や感染症がおこったときのアクションプランという形では、非常に高度な内容が作成されていると思いますが、リスクそのものを数値化してマネジメントできている企業は少ないと思います。

    この点、確かに欧米企業の場合、事業運営は各国、各事業で分散をしていてもデータはHQが集中管理している場合が多いように感じます。

    欧米企業の日本拠点などでは、リスクマネジメントなど、HQが保有している権限を与えられていないが故に不自由を感じているところも多いと思いますが、災害や事故などが発生した時に、情報が集中的に管理されている方が、迅速かつ適切な対応を講じることができると思います。

    特にこれからはデータを構造的に管理して、資産として活用していくことが競争力につながる時代であり、リスクマネジメントも例外ではないと思います。

    戦争、災害、サイバー攻撃、諸外国による輸出規制など、リスク要因は増えています。
    中小企業含めて、リスクマネジメントに対して向き合い、高度化していくことがこれからますます求められていくことは間違いありません。