Setting the Table 2026年2月9日

国土交通省
新たな官民連携手法(シーズ)の提案を募集

以下の3つ募集のテーマについて、
地方公共団体から20件の課題(具体的なニーズ)が提示されています。

  1. 持続可能なインフラマネジメントの実現
  2. スモールコンセッションの推進
  3. グリーン社会の実現

提示された20件の課題(ニーズ)は以下の通りです。

1.持続可能なインフラマネジメントの実現

【岩手県宮古市】

市町村合併により管理延長が大幅に増えた当市の道路施設は老朽化が進み、さらに近年は激甚化する豪雨災害での対応も頻発化している。行財政面・人員面でも多くの課題を抱える中、官民連携やDX技術の活用により、災害時を含めた平常時から様々な備えをするフェーズフリーかつ持続可能なインフラマネジメント手法を検討したい。

【山形県南陽市】

橋梁等の道路施設について、維持管理計画を策定して効率的かつ効果的な維持管理に取り組んでいるが、財政面や体制面で多くの課題を抱えているため、これらを解決しさらなる効率化、コスト縮減を図るため、官民連携導入によるインフラメンテナンス手法の検討を行いたい。

【茨城県潮来市】

河川・水路を活用した収益事業とインフラ維持管理事業(非収益)を、これまでに例のない多分野横断(河川-道路)の形で、官民連携事業として形成し、財源不足への対応と地域活性化を同時に実現する新たな群マネ事業スキームの実現可能性を検討したい。

【埼玉県蕨市】

狭い道路に接する民間建築時に建築行政によりセットバックを指導しており、セットバックされた土地について公道として整備・維持管理を行っているが、1件ごとに従来発注を行うため迅速な対応が難しく、民間事業者が包括的に事業を実施することで迅速な道路整備を行える手法を検討したい。

【東京都杉並区】

インフラの維持管理を担う職員や事業者の不足が深刻化する中、地域インフラ群再生戦略マネジメントの検討を進める過程で、当区では包括的民間委託が有効な解決策になり得ると考えている。新技術活用や地域振興と女性参画を視野に入れた持続可能な包括的民間委託モデル構築を進めていきたい。

【長野県】

県および市町村の技術職員不足が深刻であり、インフラ施設(特に道路・橋梁)の日常的な維持管理が追い付いていない、または、地域間のバラつきがある現状を打開するため、市町村を含めた長野県全体としてインフラマネジメントを最適に回す仕組みづくりを検討したい。

【静岡県静岡市】

人口減少や橋梁の老朽化が加速する中、持続可能な橋梁マネジメントを実現するため、地域の将来像に合わせた橋梁ストックの適正化(集約・再編等)が必要である。集約・再編等は、直ちに実施できるものではないため、将来の集約・再編等を見据えた戦略的な橋梁マネジメント手法の確立に着手したい。

【静岡県浜松市】

市内の公園を対象に、公園機能の向上や利活用を含めた再整備の考え方(区分および方針)を定めるとともに、包括的な民間活力の導入による活用や、維持管理業務の効率化・省力化を図る。さらに、官民連携事業への支援等を含めた公園全体のマネジメントを実施することで、市民サービスのさらなる向上、官民連携事業の推進スピードの向上、合理的な維持管理の実現など、持続可能な公園における官民連携モデルの構築を目指したい。

【三重県東員町】

道路・公園・上下水道・河川・公共施設などの公共インフラについて、町民や地元事業者の協力により、みんなで見守る地域共創型の維持管理体制「みんまも」の構築に加え、維持管理と地域活性化を一体で推進するエリアマネジメントを官民連携で実現したい。

【兵庫県宝塚市】

持続可能なインフラマネジメントを実現するため、行政職員の業務逼迫を解消して市民対話と技術業務を充実させ、地域の建設会社等の技術力を向上させて事業分野の拡大を可能とし、市民が取りまとめた「まちづくり計画」と「インフラメンテナンス」を連動させる包括的民間委託の事業スキームを検討したい。

【広島県庄原市】

インフラ管理の担い手となる地域建設業者、コンサル事業者の減少、高齢化が進む中で、地域の安全と成長を両立していくためには、既存インフラの包括的な管理体制の構築が不可欠となる。このため、民間の知恵と技術、運営ノウハウなどを活用した「包括管理体制」を構築したい。

【高知県大豊町】

本町は、人口3000人弱に対し管理橋梁が310橋と多く, コスト・人材の面から持続可能な管理が困難な状況である。そのため、将来のまちづくり計画等の地域構想や利用形態を踏まえた橋梁の管理方針を導入した官民連携モデルを検討したい。

2.スモールコンセッションの推進

【北海道池田町】

まちづくりの中心としてきたワイン事業だけではなく、町には農業、酪農、林業、食品製造、飲食業等々そのチカラを100%発揮しきれていないが魅力的な業種も多くある。逓増する遊休施設を有効な資源とみなし、まちの活性化の好循環を回していく為、R7度作成「遊休公的施設利活用ビジョン」を基に、複数施設をバンドリングするスキームを考えたい。

【熊本県阿蘇市】

民間の創意工夫を最大限に生かせるPPP/PFI等の各手法により、旧「阿蘇いこいの村」と旧「ひのくに会館」の建物と敷地を活用し、地域住民や国内外からの多くの来訪者が集い、エリアの価値向上に繋がる地域の拠点を創設し、経済波及効果等の地域活性化を図りたい。

【沖縄県うるま市】

現在、地域の防災拠点として避難所に指定されている廃校を利活用し、島しょ地域が有する地理的特性を再定義しながら、跡地利活用のあり方を検討したい。

3.グリーン社会の実現

【北海道帯広市】

本市では、昭和45年に先人たちが開拓した大地に再び木を植え、育てた森で街を包み込むことで、人間社会と自然環境の調和をはかり、緑豊かなまちをつくるという「帯広の森構想」を掲げ、昭和50年の造成開始から半世紀が経過した。この間の多様な効果を見える化し、帯広の森を次世代に繋ぐため、新たな仕掛けを創造したい。

【島根県雲南市】

雲南市の豊かな自然環境の価値や空間的分布をデジタルツインによる3次元表現等を用いて可視化することで、市民や来訪者が理解・体験する取り組みを進め、 well-being for all UNNAN(みんなが幸せに暮らせるまち)につなげる仕組みを構築したい。

【広島県庄原市】

少子高齢化が進む中で、温室効果ガス排出量の削減や激甚化する自然災害への対応、地域経済の活性化を進めていくためには、本市の豊富な森林及び水資源を活用した循環型社会システムへの転換が必要不可欠である。このため、技術的課題や導入の可能性を検証し再生可能エネルギーによる自給自足の仕組みを構築したい。

<所感>

公共工事という言葉からは、国や地方自治体が細かい仕様を定め、その仕様通りの工事をいくらで提供できるかという価格競争が入札で行われるというイメージがあります。

これに対してPPPは公共サービスの提供を民間主導で行うことで、民間のノウハウを活用し、効率的な公共工事の設計、維持管理、運営を実現する考え方となります。

今回の「新たな官民連携手法の提案」は、対象としているのが公共サービスよりも一歩上段にある地方自治体の「課題」であり、その課題を解決する提案力を、広く様々な立場の民間事業者から募集するという点で、従来の入札型の公共サービスとも、従来のPPP /PFIとも異なり、非常にユニークな取り組みと思います。

20件の「課題」にはそれぞれ詳細な資料が添付されています。その資料を読み込んで、課題を解決するために、実現性のあるアイデアから提案されることが求められています。具体的なシーズがあるということに加えて、デザイン力や発想力も求められていると言えます。

建設会社や旅行会社など、一つの業種が公共サービスを請け負うのではなく、地域のデザイナー、建築家、士業など専門的なリソースが共同して画期的な提案を行うようなことがなされると、これまでにない発想の公共サービスが実現するのではないかと感じます。