Setting the Table 2026年2月10日

環境省
都市鉱山回収量増加に向けた回収実証モデル事業

都市鉱山回収量を増加させるための小型家電及び家電リサイクルの先導的な取組を支援するための募集が始まっています。

循環型社会におけるビジネスモデルになりうる事業なので一部引用させていただきます。

<背景>

  • 国内には都市鉱山として我が国がほぼ全量を輸入に依存しているレアメタル等の鉱物資源が多く退蔵
  • 不適切なルーツで国内の鉱物資源が国外に流出する等、回収が十分にできているとは言えない実態

<トレーサビリティ管理を活用した使用済小型家電回収モデル事業>

【現状】

  • 使用済小型家電の回収量拡大のためには、市町村に負担をかけずに、直接市民から使用済小型家電を回収することが効果的
  • 市民としては回収BOX等に持ち込むには手間がかかるため、自宅にいながら排出が可能である宅急便等の利便性が高いと思われる
  • 宅急便事業者等からは小型家電リサイクル法上の参入障壁の意見がある

【事業の内容】

小型家電リサイクルへの参入障壁となっている

  • 小型家電 運搬車両である旨の表示
  • 運搬事業者の再委託管理
  • 産業廃棄物である小型家電を運搬する際のマ ニフェスト管理 

を省略・緩和宅配便事業者等において用いられているトレーサビリティシステムを活用する。

【具体的な例】

  • 宅配便事業者による使用済小型家電の市民からの直接回収
  • 引越し事業者による引越し時の使用済小型家電の市民からの直接回収
  • ガス給油器点検事業者におる点検時の使用済小型家電の市民からの直接回収

<家電リサイクルモデル事業>

【現状】

  • 家電リサイクル法に基づく家電4品目の回収率は令和5年度実績で70.4%と年々増加傾向
  • 一方でエアコンの回収実績は令和5年度実績で42.2%と他の家電として比較して著しく低い
  • 買い替えではないエアコンの排出には排出者自身が様々な手続きを行う必要がありその煩雑さが阻害要因の一つとなっている可能性
  • 排出者の費用負担が阻害要因の一つとなっている可能性

【事業の内容】

エアコンの回収率向上を阻害していると思われる要因に着目した以下の事業

  • 排出者が簡便にエアコンを排出することができる一括回収モデル事業
  • 排出者の費用負担を低減する回収料金の補助モデル事業

<小型家電リサイクル法とは>

デジタルカメラやゲーム機等の使用済小型電子機器等の再資源化を促進するため廃棄物処理業の許可等に関する特例等について定めた法律。

使用済小型電子機器等の再資源化事業を行おうとする者については、再資源化事業計画を作成し、主務大臣の認定を受けることで、廃棄物処理業の許可が不要

政令では、「家電リサイクル法」の対象となる家電4品目を除く、28類型の品目が指定 

<家電リサイクル法とは>

一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律

排出者に対しては適正排出と費用負担の義務
小売業者に対しては排出者からの引き取り及び製造業者等への引き渡しの義務
製造業者等には、指定引取場所における引き取り及び再商品化等の

<所感>

家電リサイクル法が施行されたのが平成13年、小型家電リサイクル法が施行されたのが平成25年です。

これらは循環型社会を形成するための法体系の一つとして、廃棄物処理法や資源有効利用促進法、および容器包装リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法などの個別物品の特性に応じた法律同様に位置づけられています。

循環型社会を形成するための法体系は全体的に、排出者や取扱者に義務を課す環境保護のための規制のため、それらの規制をかいくぐる不適正な処理を行う事業者が存在し、適正な資源循環を妨げていました。

環境法制度の全体の流れとして、従来のような規制を課す「守り」の姿勢だけでなく、適切な処理をする事業者にインセンティブを与える「攻め」の姿勢が見られます。

こういった規制を緩和して新しい事業者の参入を促し、ビジネスとして自律的にまわる仕組みを構築することは、不適切な処理をなくすことにつながっていくものであると思います。

事業者にとっても、こういった事業に取り組むことで投資家含めた社会からの高い評価につながるようになっています。

今回の事業はレアメタルといった経済安全保障上の重要なテーマが背景にありますが、それだけでなく「持続可能な社会」を明確に定義した環境基本法のもと、循環型社会・カーボンニュートラルに向けての大きな流れも動き出していることを感じます。