GAFAに代表されるデジタルプラットフォームは今や私たちの生活に不可欠な存在となっています。
その一方で、一定の規模と認知度を得たデジタルプラットフォームは取引において支配的地位を形成することが可能なため、デジタルプラットフォームを通じて商品やサービスを提供する中小事業者やデジタルプラットフォームを通じて商品やサービスを購入する消費者を保護することが必要です。
2021年2月、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律が施行され、デジタルプラットフォームのうち、特に取引の透明性・公正性を高める必要性の高いプラットフォームを提供する事業者は「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定され、規律の対象となりました。
2021年2月、総合オンラインモール・アプリストアも規制対象となり、2022年8月にはデジタル広告も規制対象に追加されました。その後2025年12月のスマホソフトウェア競争促進法の施行に伴い、デジタルプラットフォーム透明化法の規制対象からアプリストア分野は除外されました。
デジタルプラットフォーム取引透明化法は、特定プラットフォーム提供者と商品やサービスなどを提供する事業者との間の取引関係を規律する法律です。(ただし、開示義務については、一部一般利用者に対する内容も含まれています。)
すべてのプラットフォーム提供者が規律の対象になるわけではなく、特定デジタルプラットフォームを定める政令で定める事業の区分毎に、政令で定める規模以上ののプラットフォーム提供者に対して義務が課されるという体系となっています。
<特定デジタルプラットフォーム提供者が講じるべき措置>
【提供条件等の情報の開示】
利用事業者等に対する取引条件の開示や変更等の事前通知により、取引の透明性を向上させるために第5条に以下のような開示項目が定められています。
- 価格等の基本的な取引条件、利用事業者との契約関係等
- 取引条件変更の内容及び理由の事前通知
- 他サービスの利用を有償で要請する場合に、その内容及び理由
- 取得データの内容、取得・使用の条件
- 提供拒絶を行う場合の内容及び理由(アカウント停止や各種審査における却下等)
- 表示順位を決する基本的な事項
従わない場合は行政措置・罰則の対象となります。
【相互理解の促進に向けた 自主的な手続・体制の整備】
出品停止等の処分をデジタルプラットフォーム事業者から受けた場合にデジタルプラットフォーム事業者に相談をしても解決されないといったことが発生しています。そのため第7条において、「特定デジタルプラットフォーム提供者は、特定デジタルプラットフォーム提供者と商品等提供利用者との間の取引関係における相互理解の促進を図るために必要な措置を講じなければならない。」と定められています。
特定デジタルプラットフォーム提供者が講じるべき措置については、各デジタルプラットフォームの内容によって様々なため、経済産業大臣が以下のような措置について「必要な指針」を定めることになっています。
- 公正性確保のための体制・手続整備
- 苦情・紛争処理解決のための体制・手続整備
- コミュニケーションを国内で管理する者(国内管理人)の設置
- その他取引先事業者の事情を考慮するために必要な措置
【モニタリング・レビュー】
モニタリング・レビューはデジタルプラットフォーム透明化法の特徴的な内容と言えます。デジタルプラットフォーム透明化法では特定プラットフォーム提供者による自律的な取組を尊重して規制を最小限にとどめている代わりに、定期報告書の提出を求め、特定デジタルプラットフォーム提供者の運営状況について、利用事業者や消費者、学識経験者等も関与してレビューを行い、結果を公表することとしています。
報告書には以下の内容を記載し、年度の末日から2ヶ月以内に提出することとされています。
- 特定デジタルプラットフォームの事業の概要に関する事項
- 特定デジタルプラットフォームについての苦情の処理及び紛争の解決に関する事項
- 第五条第一項から第四項までの規定に基づく開示の状況に関する事項
- 第七条第一項の規定に基づき講じた措置に関する事項
- 前三号に掲げる事項について自ら行った評価に関する事項