Setting the Table 2026年8月8日

国土交通省
「土地の取得・利用等のあり方に関する有識者会議」提言

土地の取得やその利用等に関して現在生じている問題について、有識者の提言が取りまとめられました。
この提言に記載されている内容から、将来何かしらの制度につながる可能性があるので注目です。

以下、一部引用します。

【土地の利用状況について確認された実態】

  • 住宅地に近接する土地で廃棄物や土砂の積み上げが行われたり、スクラップヤードが建設されたりすることで、安全面への懸念や、騒音、悪臭、水質汚濁等周辺への悪影響が生じている
  • 住宅地に近接する土地が大型車両の駐車場として利用されることで、周辺住民から生活環境などへの懸念の声が上がっている。
  • 法令に基づく許可等の手続きを経ずに大規模な森林伐採や開発が行われ、周辺の自然環境等に悪影響を及ぼしている

【国土利用計画法の課題】

  • 届出対象面積が大規模なものに限られており、土地取引に係る情報の把握範囲として不十分な面がある
  • 届出対象面積以上の土地取引であるにもかかわらず届出を行わない無届事案が見受けられる
  • 届出が行われた後に土地の利用目的が変更されても、変更後の利用目的を把握する手段がなく、継続的なモニタニングができない
  • 土地利用に関する一般法ではあるものの、個別法において明確な規制の対象とならない隙間的な土地利用について、機動的な対処ができない

【国土利用計画法の特色】

  • 土地の開発・利用に係る最初のステップとなる土地取引の段階を捉えて規制を講じており、開発計画が進行し不可逆的な段階に至る前に防止措置を講じることができるという独自の強みがある 
  • 一定規模以上に限られるものの、地域・地目や土地の用途を問わず全国の土地取引を対象としている

【国土利用計画法に求められる一般法としての包括的な役割】

  • 取引段階において、個別法違反を事前にチェックする機能を果たすことに加え、土地利用基本計画の記載に基づき客観的に不適切な土地利用と判断される利用目的に対して指導監督を行うことで、そうした土地利用を未然に防止する 
  • 現行制度において対応を行っていない利用段階においても、土地利用基本計画の記載に基づき客観的に不適切な土地利用と判断される行為が行われ、周辺地域に悪影響が生じる場合には、土地利用基本計画を根拠に指導監督を行うことで、 不適切な土地利用の是正を図る

【具体的な提案】

  • 土地利用のあり方に係る基本的考え方の提示
  • 土地利用に係る情報把握の強化
  • 土地利用基本計画の記載事項の充実
  • 届出情報の行政内部及び行政機関間での共有
  • 土地の利用段階における指導監査措置の導入
  • 無届け事案への対応の強化
  • 罰則の強化
  • 国・都道府県・市町村の役割分担と支援体制

<所感>

市街化区域では2,000m2以上、市街化区域以外の都市計画区域では5,000m2以上、都市計画区域外では10,000m2以上の取引を行う場合は、契約締結日を含めて2週間以内に国土利用計画法に基づく届出が必要となっています。

土地の投機的取引や地価高騰を抑制するとともに、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るためにこういった制度が設けられています。

土地取引の背景は、時代ととともに変わっています。

例えば、かつては日本市場への参入の難しさから、外国人が土地を取得する機会は限られていましたが、今は外国人による土地取引は珍しいことではありません。

バブル期にはレジャー施設やリゾートマンションなどが多数作られましたが、人口減少の今は、逆にもともとそういった施設だったところが売却の対象となっています。

社会的な背景に合わせて、行政側の運営が変わっていくことは当然と思います。

土地取引は開発行為とも関わってくるので、制度変更に向けての動きは常にアンテナを張って、チェックしておく必要があると思います。