環境省
スクラップヤード環境対策技術検討会
スクラップヤードとは使用済みの金属やプラスチックなどの屋外の保管場所です。
スクラップヤードで保管されているものは、原則として再生利用するためのものです。
2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピック2020ではオリンピック史上初めて、使用済み携帯電話や小型家電などの「都市鉱山」から回収されたリサイクル金属でメダルが作られました。
こういった再生資源を保管するのがスクラップヤードです。
廃棄物を処分する廃棄物処理施設とは異なります。
一方で全4,635のスクラップヤードのうち、275のスクラップヤードで騒音、水質汚濁、火災等の問題が発生しており、環境保全の必要がありました。
また、環境対策が不十分なスクラップヤードは操業コストが抑えられるために再生資源の買収価格を高値に設定できるという不公正が存在していました。
そこで、良好な生活環境の保全と公正な競争環境の整備を行うために、令和8年6月「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、「使用済金属・プラスチック物品」を保管等する事業者に対する許可制度が導入されることとなりました。
廃棄物処理施設ではないスクラップヤードが、廃棄物処理施設同様「許可制」となるのは大きな政策転換といえます。
【対象となる事業】
- 保管(譲渡のためのもの)
- 再生(切断、圧縮、破砕、選別、洗浄等、再生のために行う保管を含む)
【許可基準の例】
- 事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有していること
- 事業に用いる施設が保管や再生の基準に適合していること
- 申請者が事業を的確かつ継続して行う能力を有していること
- 申請者が欠格要件(拘禁刑に処された者など)に該当していないこと 等
【スクラップヤードで求められる保管基準・再生基準のイメージ】
- 保管物の高さの制限
- 飛散・流出の防止措置
- 火災の発生・延焼防止措置
- 分別・保管の措置
- 汚水流出の防止措置
- 掲示措置
- 地下浸透の防止措置
- 騒音・振動の防止措置
【許可みなし】
既存の廃棄物処理業者、廃棄物処理施設の設置者、各種リサイクル法等の許認可事業者、委託事業者は許可事業者とみなす
【輸出確認】
海外での環境汚染防止・国内の適正な再生能力の維持のため、国内再生原則を創設。
輸出の際は、国内の設備・基準等に基づく環境大臣の確認を義務づけ。
【罰則等】
- 違反行為等を行う許可業者に対しては、都道府県知事による、事業停止命令・許可の取消し等により対応。
- 保管基準等が未適合の場合は改善命令・措置命令等により対応。許可を失った事業者等がスクラップを放置する事案に対しても、措置命令により対応。
- 無許可営業、許可不正取得、事業停止命令違反、無確認輸出(未遂含む)等を行った場合には、 最大5年の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金又はこれを併科する。
- 法人の場合には、最大3億円の罰金を科する。
<所感>
スクラップヤードは必ず必要な施設です。サーキュラーエコノミーの実現に向けて、資源を排出する事業者、処分する事業者などと連携して、再生資源の有効活用を高めていくことが期待されています。
許可制の導入は、規制の強化という側面に注目がいきがちですが、市場の拡大が見込まれているという捉え方もできると思います。
廃棄物処理では、エコアクション21など環境経営に積極的に取り組む企業が地域での信頼を獲得できるようになってきています。
ストックヤードも同様に、社会とのつながり、社会への責任といったところを、事業モデルの中で前面に押し出していける企業が時流にのって成長していくのではないかと思います。