World Trade Organization “In a world of trade tensions, what do tariffs really do?”
1930年代の不況後、
世界経済のブロック化が進み
各国が保護主義的貿易政策を設けました。
それが第二次世界大戦の一因となり、
終戦後にその反省から
1947年にガット(関税及び貿易に関する一般協定)が作成され、
ガット体制が1948年に発足しました。
ガットは国際機関ではなく、
暫定的な組織として運営されてきました。
しかし、より強固な基盤をもつ国際機関を設立する必要性が強く認識されるようになり、
1994年のウルグァイ・ラウンド交渉の妥結の際にWTOの設立が合意され、
1995年に設立されました。
WTOの2大原則として、
最恵国待遇:すべての加盟国に同等の貿易条件を与えること
内国民待遇:輸入品を国産品と同等に扱うこと
があり、それにより加盟国間で世界経済の発展と
貿易のルールと紛争処理システムを確立を
目指してきました。
WTO accessions mapで加盟国数の年次推移をビジュアルで見ることができます。
経済的に遅れている途上国の加盟が増えていっていることが分かります。
グローバリゼーションによって先進国は途上国から富を移転させ、
貧困をもたらし、格差を拡大する、という見解がありますが、
必ずしもそうとは言えないと思います。
途上国が厳しい基準をクリアして加盟するには理由があります。
中国がWTO加盟によって飛躍的な経済成長を遂げたように、
自由貿易は発展途上の国の経済を改良する力を持っています。
今、その自由貿易をリードしてきたアメリカ発の
トランプ関税が世界を揺るがしています。
このRalph Rossa氏の記事は、
そもそも関税の役割は何か?
について改めて説明しています。
関税が関税収入を増やし、
国内産業を保護する効果は
短期的なものであり、
長期的にはインフレをもたらし
国際競争力を低下させるということが、
非常にシンプルに分かりやすく説明されています。