Setting the Table 2025年7月24日

総務省 「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会」

この資料によると2024年のメタバース市場は
全世界で744億ドル(約11兆円)
国内で9,100億円

とのこと。
すでに巨大な市場です。

2024年の国内市場データを見ると、
土木建築が最も大きく2,475億円、
職場教育(1,847億円)
オフィス・ワークプレイス(1,608億円)
ライブ・エンターテインメント・ゲーム(1,330億円)
と続いています。

メタバースがバーチャル空間だけでなく、
フィジカルに影響を与える形で
市場が拡大していることがわかります。

メタバースは
バーチャル空間をリアルに近い環境
として実現できる技術です。

ゲーム等エンターテインメントの世界では、
バーチャル空間の世界が広がり、
そこで出会いや取引が成立することになります。
バーチャル空間内で新しい決済手法や流通等が
創出されると、それらはフィジカル空間のような制約がないため
無限に無秩序に広がる可能性があります。

建設、農業等の世界では、
現実世界に近い環境をバーチャル空間に作り出すことで
シミュレーションが可能となります。
メタバースの技術が高まれば高まるほど、
シミュレーションの精度が高まり、
フィジカル空間への投資はリスクをより低減させる
効率性の高いものになると思います。

この資料では、
メタバースについて、活用、リスク、技術等、
多角的に検討されており、
諸外国の動向も整理されています。

SNSが政治家にとって重要な情報発信のツールになったように、
民間の技術が、新しい常識を創造する可能性もあります。
メタバースというポテンシャルのある技術を、
課題解決のために活かすという方向性に基づき、
今後行政からどのような情報が提供されるか、注目です。

金融庁 「投資運用業等 登録手続ガイドブック」

新NISAで投資家の裾野が広がりました。
長期、分散、積立のキーワードで、
短期的な損益にとらわれず、
毎月一定額を投資に回すようになった方も少なくないと思います。

年金や投資信託等の運用を行うのがアセットマネジメント。

金融庁は
「高度な専門性をもって資産運用機能を担う
アセットマネージャー等の存在は、
我が国の資本市場の活性化や
国民の安定的な資産形成を実現する上で極めて重要であり、
その国内金融市場への参入に当たっての負担を軽減し、
金融商品取引業者の新規参入の円滑化を図ることは、
かかる目的を達成するために不可欠」
と述べています。

投資運用業、投資助言、代理業、第二種金融商品取引業、
第一種金融取引業への登録を行うためのガイドブックが
日本語と英語で提供されています。
日本で資産運用機能を担うアセットマネージャーには、
外国人も含まれるということを念頭においてのことと思います。

日本のアセットマネジメント会社も、
英語で情報を提供するようになっています。

日本での資産運用が量と質の両面から成長するために、
新たなステージに入っていることを感じます。

消費者庁 「PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析」

年代別に消費生活相談の地域傾向を分析した内容が
日本地図にまとめられています。

年代別に相談内容が全く異なっています。
一方で地域間の相違はそんなに大きくないように感じます。

●19歳以下
オンラインゲームへの課金による高額請求
アプリを通じた決済や解決方法

●20〜39歳
動画サイトやSNS広告をきっかけとした契約
副業や商品の購入に関して、解約や返金の手続き

●40〜64歳
定期購入と判明したため解約を求めるが電話での解約方法がわからない

●65歳以上
自宅固定電話への不審な電話
住宅の工事
ネット通販の定期購入

消費者が消費行動をするチャネルが
40歳以下で全国的にインターネット経由になっていることを感じます。

証券口座を乗っ取られて、不正に株式を売買される被害が相次いだように、
デジタル社会では、
いつどこで、気が付かないうちにどんな被害にあうか分かりません。
正しい知識を持って、正しい手続きをしたとしても、
新しい被害は発生し続けると思います。

デジタル化の推進とともに、
消費者をどのように守っていくか、
ということも大きな論点です。