Setting the Table 2025年10月6日

IUCN
IUCN and TRAFFIC Analyses of the Proposals to Amend the CITES Appendices at the 20th meeting of the Conference of the Parties

<IUCNとは>

International Union for Conservation of Nature and Natural Resources、
通称:国際自然保護連合です。

世界の生物多様性の健康の指標である
IUCNレッドリストがよく知られており、
英語版、フランス語版、スペイン語版、日本語版で
出版されています。

国家、政府機関、非政府機関が会員となっていて、
国連総会のオブザーバー資格も取得しています。

生物多様性の保護に取り組む専門家によって
厚生される6つの専門委員会があり、
専門家がボランティアとして情報の収集や
知識の共有を行い、生物多様性の保護に
取り組んでいます。

<TRAFFICとは>

野生生物の取引を調査・モニターするNGOです。
WWFとIUCNの共同事業として設立され、
動植物にとって有害な取引をなくすという
ミッションで活動しています。

<CITESとは>

日本ではワシントン条約として知られており、
野生動植物の保護のために、
取引を規制することを目的とした条約です。

ワシントン条約締約国会議が3年ごとに開催されており、
前回CoP19はパナマで開催され、
象牙、サメ、ペット、熱帯木材の取引に関する新たな規制が
定められました。

そして2025年11月24日からCoP20が
ウズベキスタンのサマルカンドで開催されます。

<Analyses>

CoP20ではエビデンスに基づき絶滅危惧種のカテゴリの
変更が提案される予定です。
その詳細がAnalysesとして公開されています。

持続不可能で違法な取引により45,840の種が絶滅の危機にさらされています。
Analysesはこれらの種のデータをIUCNとTRAFFICの専門家ネットワークにより
広範囲に収集し、様々な専門的な視点からまとめられています。

<所見>

バナナやじゃがいもののように
品質改良が重ねられて単一の種になったものは、
大量生産には適していますが、
種の存続はそれだけ脆弱になっています。

生態系は生物多様性によって維持されていて、
種は多ければ多いほど、存続できます。

種の維持のために野生のまま保護することと、
効果的に私たちのタンパク質を摂取することを
両立することは難しいです。

しかしながら、特定の者の利益のために、
野生動物を捕獲することが
許されないことは明らかです。

かつて日本では象牙やべっ甲の製品が当たり前のように使われていました。
いずれも今は、ワシントン条約によって取引が禁止されており、
誰もが、象牙やべっ甲を入手するために野生の種を捕獲することは
許されないことを知っています。

もしかしたら今、私たちが当たり前と思っている消費活動が、
生物多様性の維持を損なわせているものがあるかもしれません。

CITES(ワシントン条約)のCoPでは、
そういった専門家の叡智が結集し、
各国、各機関が行動につなげることになります。

私たちの誰一人にとっても、
無関係なものではないと思います。