ITU
“Global number of Internet users increases, but disparities deepen key digital divides”
ITU(International Telecommunication Union/国際電気通信連合)は通信に関する国連の専門機関で無線周波数、ICTに関連するサービスやそのインフラの管理を通じて、通信に関連する基本的権利の保護に取り組んでいます。
この記事によるとオンライン人口は2025年に2億4千万人増え、世界人口の4分の3にあたる60億人がインターネットを利用しているとのことです。デジタル社会は拡大している一方で、インターネット利用からの受益という点では格差が広がっている旨言及しています。
インターネット経由でのサービスでスピードと信頼性が求められる中、5Gは従来の4G、3Gと比べて大量のデータをやり取りできる規格ですが、所得の高い国では84%が5Gへのアクセスが確保されているのに対して、所得の低い国では5Gへのアクセスは4%にとどまっているとのことです。
デジタル社会においてはこれから自動運転、IoT、VR/AR、自律型ドローンの社会実装が進んでいきます。通信規格はこういったデジタル技術のインフラとして不可欠ですが、こういった基盤における格差はその先にあるデジタル技術の格差を拡大させることにつながります。
モバイルはメインフレームやPCよりも低コストで導入できるために途上国で一気に普及しました。モバイル決済の分野ではケニアなどアフリカ諸国では非常に高い普及率となっているなど、モバイルは先進国・途上国の別なく、平等にメリットをもたらしたと言えるかも知れません。しかしながら大型投資を伴うデジタル技術については資金力があり、工業技術をもち、人工衛星をもつ国にメリットが集中することになります。
デジタルが社会にとって必要な基盤になり、技術革新のスピードが加速しそれによるリターンが大きくなればなるほど、デジタル技術に関する国家間の格差は拡大することになります。この問題に対して国際社会としてどのように取り組んでいくのか、今のところ答えは見つかっていないように思います。