Setting the Table 2025年12月17日

金融庁
令和7年資金決済法改正に係る政令(案)等に対するパブリックコメントの実施について

令和7年6月6日に「資金決済に関する法律の一部を改正する法律」では以下の内容が改正されています。

  1. 電子決済手段・暗号資産に係る規定の整備
  2. 資金移動業に係る規定の整備
  3. 銀行及び保険会社並びにその子会社に係る規定の整備

成立から1年以内に施行されることになっています。
それに伴い、関係政令・内閣府令のパブリックコメントが実施されています。

今回は、1の電子決済手段・暗号資産に係る規定の整備の中の、暗号資産サービス仲介業について取り上げさせていただきます。

<暗号資産サービス仲介業>

暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者と暗号資産等の売買・ 交換を行いたい利用者を引き合わせる媒介のみを行う事業となり、今回の改正法で新たに創設されました。

利用者の資産を預からないため以下のように暗号資産交換業よりも要件が緩和されています。

  • 暗号資産交換業に定められている資本金1,000万円以上といった資本金財務規制は設けられない
  • 利用者資産の受託は不可のため、利用者の暗号資産の分別管理、管理状況の外部監査等は課せられない
  • 犯収法に基づく義務は所属先の暗号資産交換業者にて対応

<新規参入の可能性>

資本金の規制や犯収法への対応等の要件を満たす必要があったため、暗号資産を取り扱うことはスタートアップ等の小規模事業者にとって、これまではかなりハードルが高かったと言えます。

仲介業者は暗号資産交換業者に所属して、委託を受けて所属先のために仲介を行うため、代理店のような位置付けとなりますが、インターネット上で取引される暗号資産を仲介できることの意味は大きいです。

例えばプラットフォーム事業者が利用者同士の決済の手段として暗号資産を選択できるようになることが考えられます。

特にWeb3では、バーチャルアイテム、イベント参加、バーチャル店舗での商品の購入で暗号資産に基づく仮想通貨が使用されることが多いです。

従来は、Web3ゲームなどをリリースしても、暗号資産そのものを取引するためには、別途暗号資産交換業者としての登録を受ける必要がありましたが、今後は仲介業の登録で運営できる方法が開かれることになると思われます。

<所感>

現在のところ暗号資産を保有する動機は将来の値上がりを期待したものがほとんどのようですが、外国為替取引なく海外と直接、かつ即時に取引ができる暗号資産は利便性が高いので、実用的な面も大きいです。

暗号資産の取引は難解と思われるところもありますが、暗号資産取引に対する規制の透明性はどんどん高くなっていますし、ステーブルコインも電子決済手段として2023年改正で認められたことも踏まえて、暗号資産を取引できる機会も増えており、難解さも解消されてきています。

暗号資産の活用は、新たなビジネスだけでなく、新たなコンテンツ、新たなコミュニティ等を創造できる潜在性を持っています。

暗号資産取引への参入のハードルが下がったことで、どのような新しい動きが生まれるか楽しみです。