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  • Setting the Table 2025年8月29日

    国土交通省
    賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議

    <賃貸住宅管理適正化法の背景>

    賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 
    が令和2年に交付され令和4年から施行されています。

    法制定前は賃貸住宅の管理について定めた法律が
    なかったところ、
    賃貸住宅は以下のような状況にありました。

    • 単身世帯の増加
    • 外国人居住者の増加
    • オーナーの高齢化
    • 管理内容の高度化
    • サブリース方式の増加
    • 管理業者とオーナーのトラブルの増加
    • 管理業者と入居者のトラブルの増加

    サブリース方式とは、マンションやアパートなど、
    物件を1件まるごとサブリース会社が借り上げ、
    賃貸ビジネスをする契約です。

    サブリース方式では家賃保証等の
    契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し、
    社会問題化していました。

    <賃貸住宅管理適正化法の2つのポイント>

    サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置

    • 不当な勧誘行為の禁止
    • 誇大広告等の禁止
    • 特定賃貸借契約締結前の重要事項の説明

    賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設

    • 賃貸住宅管理業を営もうとするもの(200戸以上)について国土交通大臣の登録を義務付け
    • 業務管理者の配置
    • 管理受託契約締結前の重要事項の説明
    • 財産の分別管理
    • 定期報告

    <業務管理者の要件>

    (1)法に関する知識
    (2)建物・設備に関する技術的な知識、建築法規等の法令知識
    (3)金銭の管理に関する経理上の知識
    (4)賃貸借契約に関する法律的な知識
    などが必要とされており、要件として、
    以下のいずれかに該当することと
    されています。

    • 管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者 
    • 管理業務に関する2年以上の実務経験+宅建士+指定講習を修了した者 

    <登録手続>

    賃貸住宅管理業登録等電子申請システムから行います。
    登録の有効期間は5年、
    有効期間満了日の90日前から30日前までに
    登録の更新申請が必要となります。

    <申出制度>

    賃貸住宅管理業法に規定される
    「誇大広告等の禁止」
    「不当な勧誘等の禁止」
    「契約締結前の重要事項説明義務」
    などに違反したサブリース業者についての
    情報を国に提供し、
    適切な措置を求めることができる制度 

    <罰則>

    サブリース業者または勧誘者に対する罰則

    • 6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金、又はこれを併科
    • 50万円以下の罰金
    • 30万円以下の罰金

    <監督処分>

    サブリース業者に対する監督処分

    • 指示処分
    • 業務停止命令等
    • 勧誘者に対する監督処分
    • 指示処分
    • 勧誘停止命令

    <賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議>

    賃貸住宅管理適正化法の施行から丸4年たち、
    制度が定着しつつある中での
    今後の方向性についての取りまとめが行われます。

    <所感>

    ゼロ金利が続く中で、
    資産運用の一つの手法として、
    賃貸住宅を建ててサブリース業者に
    管理を一任する方が増えました。

    金利もあがり、住宅価格も上昇し、
    社会が高齢化している中で、
    資産管理の方法もますます多様化しています。

    賃貸住宅管理が、
    信頼できるビジネルモデルとして発展していくために
    重要な法規制であると思います。
    このビジネスモデルが、
    正しい方向に自律的に発展していって欲しいと思います。