国土交通省
賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議
<賃貸住宅管理適正化法の背景>
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律
が令和2年に交付され令和4年から施行されています。
法制定前は賃貸住宅の管理について定めた法律が
なかったところ、
賃貸住宅は以下のような状況にありました。
- 単身世帯の増加
- 外国人居住者の増加
- オーナーの高齢化
- 管理内容の高度化
- サブリース方式の増加
- 管理業者とオーナーのトラブルの増加
- 管理業者と入居者のトラブルの増加
サブリース方式とは、マンションやアパートなど、
物件を1件まるごとサブリース会社が借り上げ、
賃貸ビジネスをする契約です。
サブリース方式では家賃保証等の
契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し、
社会問題化していました。
<賃貸住宅管理適正化法の2つのポイント>
サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置
- 不当な勧誘行為の禁止
- 誇大広告等の禁止
- 特定賃貸借契約締結前の重要事項の説明
賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設
- 賃貸住宅管理業を営もうとするもの(200戸以上)について国土交通大臣の登録を義務付け
- 業務管理者の配置
- 管理受託契約締結前の重要事項の説明
- 財産の分別管理
- 定期報告
<業務管理者の要件>
(1)法に関する知識
(2)建物・設備に関する技術的な知識、建築法規等の法令知識
(3)金銭の管理に関する経理上の知識
(4)賃貸借契約に関する法律的な知識
などが必要とされており、要件として、
以下のいずれかに該当することと
されています。
- 管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者
- 管理業務に関する2年以上の実務経験+宅建士+指定講習を修了した者
<登録手続>
賃貸住宅管理業登録等電子申請システムから行います。
登録の有効期間は5年、
有効期間満了日の90日前から30日前までに
登録の更新申請が必要となります。
<申出制度>
賃貸住宅管理業法に規定される
「誇大広告等の禁止」
「不当な勧誘等の禁止」
「契約締結前の重要事項説明義務」
などに違反したサブリース業者についての
情報を国に提供し、
適切な措置を求めることができる制度
<罰則>
サブリース業者または勧誘者に対する罰則
- 6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金、又はこれを併科
- 50万円以下の罰金
- 30万円以下の罰金
<監督処分>
サブリース業者に対する監督処分
- 指示処分
- 業務停止命令等
- 勧誘者に対する監督処分
- 指示処分
- 勧誘停止命令
<賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議>
賃貸住宅管理適正化法の施行から丸4年たち、
制度が定着しつつある中での
今後の方向性についての取りまとめが行われます。
<所感>
ゼロ金利が続く中で、
資産運用の一つの手法として、
賃貸住宅を建ててサブリース業者に
管理を一任する方が増えました。
金利もあがり、住宅価格も上昇し、
社会が高齢化している中で、
資産管理の方法もますます多様化しています。
賃貸住宅管理が、
信頼できるビジネルモデルとして発展していくために
重要な法規制であると思います。
このビジネスモデルが、
正しい方向に自律的に発展していって欲しいと思います。