カテゴリー: Mail Magazine Back Number

  • Setting the Table 2025年9月6日

    環境省
    人工光合成の社会実装ロードマップ

    <CCUとは>

    素材産業など脱炭素化を最大限進めてもCO2排出が
    ゼロとならない分野があります。

    そこでCO2排出を可能な限り低減した上で、
    なお排出されるCO2を資源として別の資源に
    転換する技術を
    Carbon Capture and Utilizationと言います。

    <人工光合成とは>

    CCU技術の一つであり、
    太陽と水、CO2等を用いて
    水素の生成やCO2還元生成物の合成をする技術です。

    光触媒や光電極を利用した技術が該当します。
    生成物としては水素の他、
    炭素1つを含む一酸化炭素、蟻酸、メタノール等の物質、
    炭素2つ以上を含むエチレン、エタノール等の物質
    があります。
    これらは燃料として、
    または別の燃料、肥料、樹脂等の原料として、
    利用されます。

    <社会実装ロードマップ>

    初期段階:各技術の基礎性能向上やスケールアップ
    中長期:製造コスト低減、耐久性向上、サプライチェーン実装

    <目標>

    2030年に人工光合成技術の一部を社会実装し、
    既存技術と組み合わせた製品化を進め、
    2040年には、人工光合成技術による
    基礎原料の量産化やこう付加価値物質の製造を
    実現し、ネット・ゼロ実現に貢献することを目指します。

    <所感>

    人工光合成の技術、素材技術、アプリケーション開発技術の
    いずれもが必要とされる取組です。
    日本企業は個々の開発を得意としていますが、
    社会実装をするためには、
    異なる技術を持つ企業同士の連携やネットワークが
    必要になってくると思います。

    隠れた企業が、秘めた技術を持っている可能性が高いです。

    一部の閉ざされた企業での取組ではなく、
    国内外含めて、尖った技術を持つ企業同士を
    ネットワークでつなげてマッチングできるような、
    そんな新たな試みが必要なのではと思います。
    日本の商社はそういった機能を保有しており、
    商社の活躍に期待したいです。