Universal Postal Union
The World as a ‘Single Postal Territory’: The UPU’s Role in History
Universal Postal Union (UPU/万国郵便連合)は192ヵ国の加盟国を持つ国連の専門機関です。
1874年、国連設立よりだいぶ前に22カ国の加盟国で発足し、2024年に150周年を迎えています。
郵便は各国で独自の発展を遂げてきました。
日本の江戸時代の飛脚について言及されています。
つまり郵便の仕組みは国によってバラバラです。
国際郵便は国家間の枠組みなので、送付先の国で郵便物が無事届くかどうかは送付元の国は責任を持つことができません。
そういった意味で国際郵便は合意に基づく国家間の枠組みとしては典型的なものです。
また植民地制度は郵便制度の普及の上では、
同一の仕組みを国境を隔てて実現することに寄与しました。
陸続きのヨーロッパと、アメリカのような太平洋と大西洋の両方に接する大陸とでは国際郵便への考え方そのものが異なります。
こういったバラバラの考え方を統一していくという点でも
国家間の枠組みでは典型的なものと言えます。
一方で、郵便は手紙のみでなく貨物も含むようになっています。
手紙の役割はFAXやメールのような新しい通信手段と併存するようになった一方で、貨物については越境ECのように電子商取引による新たな国の隔てた個人貨物輸送のニーズが増大しています。
郵便の歴史を辿ることは、コミュニケーションの歴史と、物流の歴史の両方を辿ることになるという点でユニークであり、これらは政治が主導するのではなく、実務を担う方々が時代の変化に対応していく結果、枠組みが見えてくるという点でもユニークと言えます。