Setting the Table 2025年6月28日

経済産業省 「令和7年版通商白書」及び「通商戦略2025」

通商白書は
経済産業省の委託を受けた
シンクタンク等の外部機関が収集した情報に基づき、
キャリア官僚が自ら作成しています。
経済産業省の役人が、
民間企業や場合によっては海外にもヒアリングしているため、
通商白書の内容は生の情報に基づいていて、
とても貴重です。

今年の内容からは、
中国の産業発展が大きな影響力を
及ぼしつつあることを知ることができます。

「中国の方が米国よりもPredictableだ」
と、少し前では考えられなかった状況になっています。
先進国の経済が不確実性を増す中で、
中国がASEANや一帯一路沿線国を中心に
着実に存在感を拡大しています。

1990年代から2000年代にかけて、
世界が中国に生産拠点をおいて、
グローバル・サプライチェーンを構築しました。
その間、中国は独自の政策で、
諸外国の技術を自らの資本に取り入れてきました。

そして今、
「中国の製造業付加価値は
今や圧倒的な世界一であり、
広東省と江蘇省だけで
日本と同等の鉱工業付加価値を創出している」
とのこと。

世界的な流れであるDXとGX、
日本の新たな競争力の源泉であるコンテンツ産業。

激動の世界経済と日本の進む方向を、
この通商白書から体系的に把握することができます。

国土交通省 「地域交通DX推進プロジェクト”COMmmONS”」

「交通空白」解消など地域交通を
「リ・デザイン」する。
この「リ・デザイン」のためのアイデアが
アイデアソンやピッチイベントを通じて
幅広く収集・共有されることになります。

これまでの運輸行政は
規制、監督、許認可を通じて、
行政と事業者の間のやりとりによって形成されてきましたが、
地域住民の視点から様々なアイデアを出しことが求められています。
おそらくそれらのアイデアは。
次のステージとして
既成概念に縛られない形で、
社会実装されていくことになると思います。

交通だけでなく、これからの時代の行政のあり方としても
とても参考になる取り組みと言えます。

厚生労働省 「能力開発基本調査」

人的資本経営が重視されるようになっています。

社員の能力開発に投資して、一人ひとりの社員が
より高い付加価値を生み出すようになる、
当たり前の発想ですが、
デフレ下ではコスト削減が必要であり、
人件費や人材開発投資はコストカットの
対象となっていました。

人手不足となり、
働き方改革が政府主導で進められ、
企業の資本力と成長性が必ずしも一致しなくなり、
投資の対象が能力だけでなく健康含めたWell beingとなる、
など、
ここ10年くらいで働く環境が大きく変化しました。

しかしながら客観的なデータでは、
まだまだ企業の正社員に対する能力開発への支出は
低い水準にとどまっているようです。

人が競争力の源泉。

デジタル化が進み、
インターネットに繋げばその先は
世界と繋がっています。
世界中の企業とローカル市場で
競争しなければならない今の時代にあって、
社員の能力開発への投資は不可欠と思います。