Setting the Table 2025年6月30日

OECD “Asia Capital Market Report 2025”

Public Equity は証券市場等を通じて自由に取引される株式等の資本です。
Private Equity は市場で自由に取引されない未公開の株式等の資本です。

よく知られている通り、欧米ではPrivate Equityが発展していて、
ベンチャー企業への資金供給源となっています。
Private Equityは、投資先企業が上場した後に
株式を売却して利益を得るだけでなく、
上場後も株式を保有し続けて、長期的な企業価値の向上を遂げて、
さらに大きな利益を得るというパターンもあります。

このOECDのレポートから、
アジアにおいて資本市場は
Public Equityに強く依存していて、
Private Equityが未発展であることがよく分かります。

日本でも政府系ファンドや民間のPEファンドが様々立ち上がっていますが、
日本における資産残高上位はほぼ米国のファンドが占めています。
(参考:経済産業省「外国投資ファンド等の動向調査」)

アジアのGDPは世界GDPの31%を占めています。
人口は世界の総人口の約6割。
アジアにおけるPrivate Equityが活性化は、
この地域でのグローバル企業誕生機会の創出につながります。

OECDからは
上場手順の効率化や
市場規制の国際標準への適合が
提言されていますが、
これらはまさに日本がこれまで行ってきたこと。

これまで日本の製造業はアジアをパートナーとして、
製造拠点としても販売市場としても密接に取り組んできました。
都市銀行も積極的にアジアに展開し、
M&Aも活用しながら各国のローカル顧客とのつながりを
構築してきました。

アジアにおける国際的な金融市場は
シンガポール、香港だけではありません。
アジアで生まれ、世界に羽ばたく技術そしてコンテンツを支援する。

かつて世界の2割近くのGDPを占めていた日本にとって、
新しい発想で取り組むチャンスかも知れません。