Setting the Table 2025年8月12日

World Economic Forum 
“Do we really have to choose between energy security and the energy transition?”

エネルギー転換とエネルギー安全保障

今、日本にいて私たちはこの2つのテーマを
喫緊のものとして感じています。

6月から継続していた猛暑日、
そして現在日本列島を襲っている線状降水帯。
これらは地球温暖化を中心とする
気候変動が引き起こしたものであると、
個人レベルで実感できる程のものです。

円安、そしてロシアによるウクライナ侵攻以来
高止まりする原油価格の影響を受け、
家計におけるエネルギー料金の負担は高まっています。

日本のエネルギー政策は、
規模の面では原発再稼働と
数十年後を見据えたフュージョンへの投資、
そして次世代型太陽電池など、
技術面でアクセルを踏み始めています。

同時に日米関税交渉では
アラスカ産LNGの輸入拡大も焦点となりました。

これらのディスカッションは、
日本だけの状況でないと思います。

そして、このWEFのアーティクルの主張である
エネルギーを転換することと、
エネルギーを確保することが
相反することではなく連携することであることについて、
私たちは理想ではなく現実のこととして、
受け止めることができると思います。

昨年1年だけで3兆ドルもの金額が
クリーン・エネルギー技術に投資されていて、
今年変曲点点を迎え、さらに投資は加速すると
分析されています。

新技術への投資が促進しながら、
エネルギー供給源は多様化し続け、
特定の化石燃料への依存度が下がっていくことになれば、
地政学的なリスクの影響は低減し、
各国の自給率は高まっていくことになります。
投資の方向が技術に向かうということの
意味を気づかせてくれるアーティクルとなっています。

これまで大手電力会社や大手商社が、
イランと政治レベルで対話をして契約を結んだり、
リスク覚悟でカタールと長期契約を結んだり、
海外の資源確保のために大きな投資をしたりして、
日本のエネルギー安全保障を守ってきました。

これからは私たち一人ひとりが、
消費者の立場として、
そして新技術開発を促進する立場として、
エネルギー安全保障を担っていく
ことになると思います。