内閣府
地域課題分析レポート
<製造業の地域性>
製造業には様々な業種がありますが、
いずれの業種も全体として地域性があります。
自動車と自動車部品は、
かんばんで知られるように下請構造含めて
地域に集約しています。
家電メーカーのまわりには、
設備を提供するセットメーカーや
金型のメーカーが存在します。
製紙や半導体など、水資源が必要な産業や
化学など石油精製製品の場合は、
特定の地域に集約します。
こういった製造業の産業構造は、
すぐにできあがったのではなく、
時間をかけて作られてきました。
例えば愛知のトヨタ自動車の近くには、
製鉄も、工作機械も、
世界的な企業が存在しています。
大阪の家電メーカーの近くには、
世界的な電子部品メーカーが
多数存在しています。
こうやって多数のメーカーの協力に基づき、
アセンブリされた最終製品は、
世界中の市場で販売されます。
<輸出と地域>
このように、
日本の製造業は、
地域の支えによって国際競争力を高め、
輸出の拡大は、地域経済を強めてきた、
ということができます。
地域課題経済レポートは、
地域別、産業別、業種別に
横並びでデータを分析しており、
変化を様々な視点から詳細に提供してくれています。
輸送用機器が今も全体の伸び率を牽引。
その一方で、完成車ではなく部品の出荷量が伸びているとのこと。
グローバル化でアセンブリメーカーが
現地生産を進めたので、部品メーカーが
自ら輸出する力を強めたと見ることもできます。
<万博後に期待>
一方で大阪周辺に集約している
電気機械の競争力は相対的に劣後しているようです。
出荷額はピークの3分の2になっているとのこと、
このレポートにもありますが、大阪・関西万博後の
産業構造転換に期待です。
万博のパビリオンではたくさんの関西の新興企業が
素晴らしい技術を展示しています。