Setting the Table 2025年8月27日

農林水産省
農山漁村の価値創出に貢献する企業の取組を証明する制度の検討

<農山漁村インパクト可視化ガイダンス>

農林水産省は
「農山漁村インパクト可視化ガイダンス」
を定め
企業の農山漁村への参画を促しています。

インパクトを可視化する意義として、
以下が例示されています。

企業にとって

  • リスクの低減・機会の増大につながる
  • 投資家等からの関心を集める
  • 従業員や顧客のエンゲージメントを高める
  • ポジティブな変化をステークホルダーに訴求できる

自治体・地域にとって

  • 企業から資金や人材の流入を促す効果の可視化
  • 農山漁村の価値が正当に評価される

<7つのインパクト>

意義に応じて7つのインパクトが設定されています。

1. 地域経済の活性化
2. 農山漁村の持続可能な生活環境の維持
3. ウェルビーイングの向上
4. 気候変動の緩和
5. 気候変動への対応
6. ネイチャーポジティブ
7. 農山漁村における災害レジリエンスの向上

<3分類のアクティビティ>

インパクトを実現するためのアクティビティとして
3つの分類が定められています。

1. 多様な人材が農村に関わる機会の創出
2. 農村における所得の向上と雇用の創出(経済面)
3. 農村に人が住み続けるための条件整備(生活面)

<25の具体例・事例>

各アクティビティに関する
ロジックモデルの具体例として、
25の取組と
各取組に応じた43の事例が
紹介されています。

1. 通いによる農林水産業への参画・コミュニティ維持の取組
2. 地域の自然環境を維持・向上させる取組
3. 若者等の地域住民に農山漁村の活動を伝える取組
4. 学校給食での地場産物活用の取組
5. 農山漁村を支える官民の副業促進の取組

6. 特定地域づくり事業協同組合制度を活用した農村RMOへのマルチワーカー参入の取組
7. 農山漁村での生活、なりわいを体験できる移住体験の取組
8. 体験農園提供の取組
9. 就農者等のスタートを支える取組
10. 農福連携等の取組

11. 農林水産物の保存技術開発の取組
12. 農林水産物をブランド化や付加価値向上を図る取組
13. 農林水産物のサプライチェーンを効率化する取組
14. 海外等、新たな小売事業者開拓の取組
15. フードテックを活用した地方の農林水産・食品企業の取組

16. 農山漁村の魅力を活用した国内外の観光客の呼び込みを行う取組
17. 農山漁村に賦存する再生可能エネルギー・バイオマスを地域内で循環させる取組
18. 消費者向けの情報発信の取組
19. 専門作業を行うロボット等のスマート農業技術の開発・導入の取組
20. 農地マッチングの取組

21. 道の駅を中心とした小さな拠点を整備する取組
22. 住民コミュニティの活性化を担う地域運営組織の取組
23. 農地集積・集約化等、地域課題に関して地域の合意形成を促進する取組
24. 市街地と農山漁村間における物流網の維持・確保等の取組
25. 農山漁村で女性が働きやすい環境整備の取組

<インパクトを国が証明>

これらにみられる「インパクト」を
国が証明する制度の創設が検討されています。

農山漁村のテーマですが、
それに限らず、
環境、地域創生、技術、食、福祉など、
様々な社会課題にインパクトを与えるものと思います。

強いものが生き残るのではなく、
変化するものが生き残るのでもなく、
分かち合うものが生き残る、
そんな時代になってきていると思います。