経済産業省 「分野別投資戦略」改定
<150兆円のGX投資>
10年間で150兆円という巨大な官民投資を行いGXを実現するための構想となります。
150兆円の投資は以下からなります。
- 政府からの20兆円の先行投資
- カーボンプライシング導入(化石燃料賦課金と、発電事業者への有償オークション等)
- GX経済移行債の発行を含めたトランジション・ファイナンス
<カーボンプライシングとは>
企業などの排出するCO2(カーボン、炭素)に価格をつけ、それによって排出者の行動を変化させるために導入する政策手法です。
政府による主なカーボンプライシングには
- 炭素税
- 排出量取引
- クレジット取引
- 石油石炭税
などがあり、他にも民間部門でもカーボンプラインシングやクレジット取引が行われています。
CO2排出量の削減にはコストがかかります。
コストがかかって生産した製品の市場価格は高くなるので、CO2排出量削減に取り組んでいない製品の方が市場での価格競争力を持つことになります。
カーボンプライシングにより、CO2排出に対してコストがかかることで、CO2排出量削減に取り組んだ製品の価格競争力が高まり、付加価値が向上することになります。
<成長型カーボンプライシング構想>
2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され「成長志向型カーボンプライシング構想」が打ち出されました。
今回の分野別投資戦略は「成長志向型カーボンプライシング構想」による投資促進パッケージ となります。
<重点16分野>
- 鉄鋼
- 化学
- 紙パルプ
- セメント
- 自動車
- 蓄電池
- 航空機
- SAF(持続可能な航空燃料)
- 船舶
- くらし
- 資源循環
- AI・半導体
- 水素等
- 次世代再エネ(ペロブスカイト太陽電池、浮体式等洋上風力、次世代型地熱)
- 原子力・フュージョンエネルギー
- CCS(二酸化炭素回収・貯蔵)
<所感>
分野別投資戦略の概要において、業種毎に具体的な投資促進策が例示されています。
製造業においては設備投資支援が含まれており、鉄鋼、化学、パルプ、セメントなど、設備産業におけるGXのために大規模な投資が行われることになります。
他にも研究開発、市場創出、サプライチェーン構築など、まさにトランスフォーメーションという名前に相応しい産業の大転換のための投資になりうると感じます。
カーボンプラインシングは、当初低い負担から徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明示するとのこと、CO2排出削減に取り組む企業と取り組まない企業との競争力は将来的に大きく開いていくことになります。
CO2排出削減のために投資が必要な企業にとって、今は大きな転換点になると思います。