Setting the Table 2026年2月21日

経済産業省
「新市場創造型標準化制度」

<標準化とは>

標準化は技術やサービスに共通のルールや規格を定めることで、日本におけるJIS規格や国際標準化機構のISO規格などがあります。
他にも産業や地域に応じて様々な標準規格が存在しています。

例えば、ねじにはJIS規格があります。
ボルトのメーカーとナットのメーカーがそれぞれ異なっていても、それぞれがJIS規格に準拠していれば、合致して、モノとモノを締結して固定することができます。
JIS規格はISO規格に対応しているので、国内メーカー、海外メーカーにかかわらず、ピッチが同じねじを探すことができます。

このように標準化には、互換性、品質の確保、情報・認識の共有、安心・安全の確保といった重要な意義があります。

<新市場創造型標準化制度>

技術革新のスピードが速い現代において、様々な新分野、新製品が世の中にリリースされています。

業界全体で利用できる技術は業界団体等を通じて規格原案を開発することができます。

一方で、複数の関係団体にまたがる技術や特定企業しか利用できない技術は既存の業界団体等では対応ができません。

こういった先端技術の標準化を可能とするために設けられた制度が新市場創造型標準化制度です。

新市場創造型標準化制度の具体的な事例は、以下のような事例を含む経済産業省の標準化活用事例集に掲載されています。

  • 低品質の類似製品が多く存在する中、適切な製品を選べる基準を設定することで、市場が健全化・高性能な自社製品が正当な評価を受け市場拡大
  • 自社製品が高い技術を保有していることを客観的に評価し表現することで、製品性能が広く認知され売上が拡大
  • 用途が限定されていた副産物の新用途を見いだしその性能や試験方法を標準化することで、品質の信頼性が高まり新市場が開拓

<令和8年2月20日発表の「新市場創造型標準化制度」の活用が決定されたテーマ>

【ミネラル成分添加給水装置に関するJIS開発】

水道水を原水とし、ミネラル成分を添加する通水経路を持ち、 成分濃度を適正に保つ制御機構と異常時に添加を停止するなどの監視機能を持つ、新たな給水システム 

【3次元空間内の長さ計測結果の精度評価方法に関するJIS開発】

大型の計測対象に対し精確な計測結果を得ること、短期間で計測システムを設置すること、比較的容易に校正を行うことを可能とする光学式3次元座標計測システムによる計測について、物体の静止または動作の状態に関わらず、物体の複数の部位の長さや変位を計測した結果の精度を評価する方法 

<所感>

様々な新製品のアイデアが様々な場所で生まれています。

大企業の研究開発、大学等の高等研究機関、中小企業の製造現場、喫茶店での会話など。

それらのアイデアの中には未来を変えるような革新的なものが多数ありますが、実際に市場に受け入れられ、量産化されて、製品となるのはごく一部です。

製品となった後、アイデアは知的財産によって保護されます。

新市場創造型標準化制度は、その名の通り、知的財産権のような守りに仕組みと違って、画期的な新製品をもっと市場に普及して市場そのものを創造していくことに寄与する攻めの仕組みという側面も持つと思います。

そのように考えると、この制度から誕生する新たな規格は、日本の産業そのものの競争力向上を意味していると言えます。

中小企業含めた活用事例がもっと増えると望ましいと思います。