Setting the Table 2026年2月28日

総務省
遺留金等に関する実態調査

<引取者のない死亡人の発生状況>

家族とのつながりの希薄化を背景に、引取者のない死亡人が増えています。

平成30年4月1日から令和3年10月末までで、調査結果が得られた市区町村で合計10万5,773件となっています。

  • 行旅死亡人:身元不明で葬祭を行う者がいない 2,852件
  • 墓埋法適用死亡人:身元判明で葬祭を行う者がいない 10,154件
  • 生活保護法適用死亡人:身元判明で葬祭を行う扶養義務者はいないが、大家、友人等の葬祭を行うものがいるが生活保護受給者であった又は遺留金品では葬祭費用に満たない 92,767件

上記のうち、遺留金の有無は以下の通りとなっています。

  • 行旅死亡人:遺留金あり1,286件、遺留金なし 1,548件、不明 18件
  • 墓埋法適用死亡人:遺留金あり 6,710件、遺留金なし 3,421件、不明 23件
  • 生活保護法適用死亡人:遺留金あり 48,479件、遺留金なし 55,424件、不明 1,829件

<引取者のない死亡人の葬祭>

  • 行旅死亡人と墓埋法適用死亡人の場合:死亡地の市区町村が遺体の埋火葬を行い、葬祭費用は市区町村が一時繰替支弁し、死亡人の遺留金、相続人等による弁償、遺留物品の売却の順で負担し、なお不足の場合は都道府県が弁償 
  • 生活保護法適用死亡人の場合:大家、友人等が埋火葬を行い、葬祭を行う者が負担し、保護の実施機関が葬祭扶助を支給 

<勧告>

いずれの場合においても、身元の調査、相続人の調査、遺留金の引き出し手続きなど、多大な負担が発生しています。
事務処理を円滑に進めるために、総務省から厚生労働省、法務省に対して勧告が行われており、フォローアップの内容が公表されています。

相続人調査、葬祭費用への費用充当、都道府県から一般市区町村への葬祭費用の不足分にかかる弁償、相続財産監理制度、残余遺留金の弁済供託・保管、残余遺留物品の弁済供託・保管について、総務省の調査結果、勧告内容、厚生労働省と法務省が講じた改善措置状況が記載されています。

<所感>

超高齢社会は、国民の社会保険料負担の増加だけでなく行政の事務負担も増加させています。

その一方で行政職員の数は減少しています。

現在は行政が活動しやすいように制度を整えて周知するといった対応が行われており、業務負担の軽減は見られているようですが、実際に様々な人と調整して対応しなければならない市区町村職員の方は大変な思いをされていると思います。

行政のデジタル化は、行政負担を減らすという意味で重要な取組ですが、引取者のいない死亡人に対してデジタルでは対応できないと思います。

民間事業者や専門士業などにアウトソースできる仕組みがいずれ必要になってくるのではないかと思います。