経済産業省・環境省
太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案
2030年代後半に廃棄対象となる太陽光パネルが大量に発生し、年間最大50万トンに達すると予想されており新たな社会課題となっています。
本法律案では、太陽光発電の廃棄の抑制と再資源化の推進を目的として、基本方針を定めるとともに、太陽電池廃棄者の届出義務とリサイクル事業者の認定について定めています。
今回の法律案では対象は「多量事業用」となっていますが、将来の太陽光パネルリサイクルシステムの前提となる法律となると思われるので、メガソーラー発電のみならず、将来を見据えて建築・住宅不動産業含め注目が必要な内容と思います。
【現状】
- 埋立処分費用2,000円/kW程度に対し、リサイクル費用は8,000円〜12,000円/kWと高額
- 6割以上の太陽光発電事業者は実質的にリサイクルを検討せず
- 2025年11月時点で、使用済み太陽光パネル専用のリサイクル施設は87件、処理能力は約13万トン/年であり、8府県には施設が存在せず、その他の地域でも処理能力が不足
【法律によって課せられる義務】
- 多量事業用太陽電池廃棄事業者はその事業用太陽電池の廃棄をしようとするときは、多量事業用太陽電池廃棄実施計画を主務大臣に届けなければならない
- 原則として届出の受理から30日経過後でなければ当該届出にかかる計画に記載された事業用太陽電池の廃棄に関し、自ら事業用太陽電池廃棄物を排出し、又は他の者に工事又は作業を行わせて当該事業用太陽電池廃棄物を排出させてはならない
【太陽電池廃棄物再資源化等事業実施のための措置】
- 太陽電池廃棄物再資源化事業を行おうとする者は、太陽電池廃棄物再資源化等事業計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができる
- 認定事業者は、廃棄物処理法の規定による許可を受けないで、太陽電池廃棄物再資源化等事業を実できる
- 認定事業者は、廃棄物処理法の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、認定計画に従って行う太陽電池廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を行わなければならない
<所感>
太陽光発電のリサイクルについては廃棄物処理法とは独立した枠組みで管理される方向性を感じます。
埋め立てではなくリサイクルを前提とした仕組みを確立するためには、専門性と地域網羅性の二つが必要になります。
そのためには、既存の産業廃棄物処理業者や運搬業者の参画なしには実現できないと思います。
太陽光発電パネルに限らず、リサイクルの進んでいない家電のリサイクル推進や、レアメタル回収率の向上含めて地域ネットワークと環境対応ノウハウをもつ廃棄物処理・運搬業者のますますの活躍が求められるところです。
業界として人手不足が深刻ですが、新たなビジネスチャンスととらえ、法対応される事業者が増えることを望みます。