環境省
「~自治体・事業者向け~使用済衣類の回収に関するグッドプラクティス集」
第5次循環型社会形成推進基本計画で
「家庭から廃棄される衣類の量について2030年度までに2020年度比で25%削減を目指す」
と定められています。
【循環型ファッションを推進するためのアプローチ】
- 資源投入量の削減
- 製品稼働率の向上
- 製品寿命の延長
- 製品としての再使用
- 原材料としての再生利用
【アクションの方向性】
- 使用済み衣料回収システムの構築
- 生活者間のリユースの拡大
- 稼働率向上・寿命延長に向けた取組の拡大
- 回収された使用済み衣類の受け皿の整備
- 衣類の製造・販売における循環型設計の推進
【2030年目標達成を阻むボトルネック】
- 資源であることが十分に生活者に認識されていない
- 「専ら物」としての判断が自治体によって異なる
- 行政回収に係るコストの財政上の負担
- 生活者が衣類を排出する際「リユース」が手軽な選択肢として認知されていない
- リユースされた衣類の使用に対する抵抗感がある
- 製品寿命を短縮させる商業上の慣行の普及
- 使用済み衣類の受け皿となる故繊維事業者等が近隣に立地しない地域がある
- 使用済み衣類の資源価値の低下
- 手作業で行われる選別作業の生産性の低さ
- ボタンやファスナー等の副資材や複合素材繊維の使用による難リサイクル性
- 繊維to繊維リサイクルに要するコストの高さ
【現状】
- 家庭に投入された衣類を対象としたストックの状況を調査したところ、2023年において所有する新品衣類の約45%が退蔵していると推計
- 家庭から可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄される衣類のうち、ひどい汚れ・損傷ではない理由で廃棄されている衣類にリユースポテンシャルがあると仮定した場合、約9万tにリユースポテンシャルがあると推計
- 全国1,741市区町村のうち、令和5年度時点で収集を行なっていないのは747市区町村(人口カバー率35.5%)
- 行政回収では約4〜5割がリユースに、民間回収では約7〜8割がリユースに
【回収拡大に向けた取組のポイント】
- 回収に携わる関係者の連携を図り、実効的な体制をつくる
- 少ない運搬回数・距離で運搬量を最大化する
- 利用者視点での付加価値を模索し、衣類の二次流通を活性化させる
- 多くの生活者にとって回収場所が身近にある環境をつくる
【使用済衣類回収のグッドプラクティス】
以下の実施主体による取組が紹介されています。
- (株)ヒューマンフォーラム
- 愛知県蒲郡市
- エイチ・ツー・オー リテイリング(株)・青山商事(株)他
- (特非)とよなか市民環境会議アジェンダ21
- ゼンドラ(株)
- JGC Digital(株)
- (株)BIG EYE COMPANY 他
- 神奈川県横浜市・ハーチ(株)他
- 東京都中央区
- (特非)中部リサイクル運動市民の会
- (株)フレーベル館
- (一社)日本繊維機械学会繊維リサイクル技術研究会
<所感>
小売業者を消費者との接点とする流通構造は長い時間をかけて作り上げられてきました。
一方で、消費者から回収してリユースするための流通構造はまだ取組が始まったばかりです。
小売、卸、製造など、それぞれの当事者が、仕入れを入り口、販売を出口とした役割だけでなく、回収とリユースという新しい役割をそれぞれの立場で担うことになります。
リユースの流通構造が確立されるまで時間はかかると多いますが、古紙や飲料容器などでは着実に変化が進んでいます。
既存の衣料品の流通構造の発展と、他産業でのリユースの応用で、ボトルネックが一つ一つ解消されていくことになると思いますが、その時に大きな産業が生まれるような気がします。