農林水産省
食料・農林水産分野におけるGX加速化研究会
令和3年に策定された「みどりの食料システム戦略」に加えて、令和7年の「食料・農業・農村基本計画」に基づく「みどり加速化GXプラン」のとりまとめが行われています。
【みどりの食料システム戦略】
調達:脱輸入・脱炭素・環境負荷の低減の推進
生産:高い生産性と両立する持続可能な生産体制の構築
消費:持続可能な消費の拡大や食育の推進
加工・流通:持続可能な加工・流通システムの確立
2050年までに目指す姿として14のKPIが定められています。
- 2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化を目指す
- 2040年までに農林業機械・漁船の電化・水素化等に関する技術の確立を目指す
- 2050年までに化石燃料を使用しない園芸施設への完全移行を目指す
- 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、農林漁業の健全な発展に資する形で、我が国の再生可能エネルギーの導入拡大に歩調を合わせた農山漁村における再生可能エネルギーの導入を目指す
- 2040年までに、ネオニコチノイド系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくてもすむような新規農薬等を開発により、2050年までに、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指す
- 2050年までに、輸入原料や化石原料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減を目指す
- 2040年までに、主要な品目について農業者の多くが取り組むができるよう、次世代有機農業に関する技術を確立する。これにより、2050年までに、オーガニック市場を拡大しつつ、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大することを目指す。
- 2030年度までに、事業系食品ロスを2000年度比で半減させることを目指す。さらに、2050年までに、AIによる需要予測や新たな包装資材の技術の進展により、事業系食品ロスの最小化を図る。
- 2030年までに食品製造業の自動化等を進め、労働生産性が3割以上向上することを目指す(2018年基準)。さらに、2050年までにAI活用による多種多様な原材料や製品に対応した完全無人食品製造ラインの実現等により、多様な食文化を持つ我が国食品製造業の更なる労働生産性向上を図る。
- 2030年までに流通の合理化を進め、飲食料品卸売業における売上高に占める経費の割合を10%に縮減することを目指す。さらに、2050年までにAI、ロボティクスなどの新たな技術を活用して流通のあらゆる現場において省人化・自動化を進め、更なる縮減を目指す。
- 2030年までに食品企業における持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現を目指す。
- エリートツリー等の成長に優れた苗木の活用について、2030年までに林業用苗木の3割、2050年までに9割以上を目指すことに加え、2040年までに高層木造の技術の確立を目指すとともに、木材による炭素貯蔵の最大化を図る。
- 2030年までに漁獲量を2010年と同程度(444万トン)まで回復させることを目指す。
- 2050年までにニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現することに加え、養魚飼料の全量を配合資料給餌に転換し、天然資源に負荷をかけない持続可能な養殖生産体制を目指す
【みどり加速化GXプランの策定に向けて】
- 食料システム全体の連携強化と民間投資の呼び込み
- 食料生産を脅かす気候変動への対応
- 生産現場における取組のさらなる拡大
- 有機農業の面的拡大
<所感>
みどりの食料システム戦略の14の目標は、2026年の感覚からすると果たして達成できるのか?と思うほどチャレンジングな内容ばかりです。
一方、GX加速化研究会では毎回農林水産省による進捗と自治体、企業、農協等からの取組内容が公表されていて、それを見ると目標達成に向けて、関係者が連携して、できることから着実に取り組んでいることを学ぶことができます。
食料は私たちの生活にとって不可欠であり、食料の安定供給が第一であるところ、生産・調達の現場でここまで環境負荷低減への取組が進んでいることに驚きます。
全都道府県で31,000以上の経営体がすでにみどり認定を受けているとのこと。
農業分野でのJ-クレジットの取組も拡大しているとのこと。
食料という、誰もが関与する産業において、大きなムーブメントが起ころうとしています。