環境省
公害健康被害補償不服審査会の裁決について
水俣病にり患した旨を行わないとする処分を不服とした審査請求4件
石綿による健康被害について特別遺族弔慰金及び特別葬祭料の支給を受ける権利の認定を行わないとした処分を不服とした審査請求2件
について、6件いずれも棄却の採決とその概要が公表されています。
合わせて参考として、水俣病と石綿関係疾病のそれぞれについて審査請求処理状況が公表されています。
【水俣病】
審査請求 921件
ー 取下げ等 440件
ー 裁決 445件
うち 却下 15件
うち 取消し 14件
うち 棄却 416件
ー 未処理件数 36件
【石綿関係疾病】
審査請求 419件
ー 取下げ等 55件
ー 裁決 340件
うち 却下 13件
うち 取消し 55件
うち 棄却 296件
ー 未処理件数 24件
<裁決について>
裁決とは審査請求に対する審査庁の判断のことです。
審査請求が要件を満たさず、不適法の場合は却下となり、判断は示されないことになります。
そのため、上記のうち注目すべきは、取消し件数と棄却件数です。
取消し件数は、水俣病にり患した旨の認定を行いとする処分の取消し、または独立行政法人環境再生保全機構が行なった処分の取消しを意味するので、それらの処分が違法または不当と判断された件数となります。これを認容といいます。
棄却件数は、逆に違法でも不当でもないということになります。
- 水俣病で取消しの裁決(認容)は3%
- 石綿関係疾病で取消しの裁決(認容)は13%
となっています。
<所感>
審査請求は、行政が行なった処分に対して行政がその処分の妥当性(違法または不当でないか)を判断する制度なので認容されるケースは非常に少ないです。
それにも関わらず、一定の割合で認容されていること、棄却された場合でも、その理由が明確に提示され、かつ今回のケースのように裁決の概要の詳細が公表されることもあること、から審査請求を行い意義は十分あります。
個別法令等に特別の定めがなくても行政不服審査法により不服審査を請求することができます。
公害被害に限らず、予防接種健康被害のように救済のための制度が設けられているものがあります。
審査請求そのものには、印紙代は必要ないため、処分に対して不服がある場合は、審査請求を行うのも一つの選択肢と言えます。