Setting the Table 2026年5月14日

厚生労働省
生涯現役地域づくり環境整備事業

地域の特性などを踏まえた創意工夫ある高齢者の雇用・就業機会の創出のための事業が実施されています。

地域が元気になれば日本全体が元気になります。その上で、高齢者の活躍は欠かせません。

高齢者の活躍のためには、各企業や高齢者自身の意欲・努力・創意工夫に委ねられていますが、国も環境整備のための支援を行っています。

以下簡単に概要を紹介します。

<事業の背景>

  • 令和3年4月施行の高年齢者の雇用の安定等に関する法律の改正により、企業への努力義務として70歳までの高年齢者就業確保措置が導入
  • 人生100年時代を迎える中で、働く意欲がある高齢者がその能力を発揮し活躍できる環境整備を図ること
  • 企業内での雇用だけでなく、高齢者のニーズに応じ地域において高年齢者が活躍できる多様な就業機会を創出する取り組みを促進すること
  • 人口減少・高齢化に直面する中で、地域福祉や地方創生、農山村などの地域活性化などの政策領域における地域の機能を持続させるための様々な取組

<事業の概要>

  • 支援対象者として55歳以上の高年齢者を含むこと。地域の実情に応じて障害者、子育て中の者等、高年齢者以外も含むことができる。
  • 就業形態の一類型として企業による雇用を想定することが必須
  • 都道府県又は市町村が地域づくりを目指して行う事業による取組や民間主体を中心とする取組を通じて構築されたプラットフォーム機能が機能していることが望ましい
  • 事業の実施主体は高齢者方第35条1項に定める協議会
  • 必要に応じて、地域の実情を把握し、地域に根ざしたシンクタンクから個別の伴走支援を受けることも可能
  • 環境整備事業のもとで国からの委託費を財源として行う地域計画に定める支援メニューの活動は、原則、無償で行われるため、収益を得た場合は国庫に返還
  • ただし協議会は環境整備事業以外の事業を行うことも可能であり、環境整備事業とは別の事業活動で集まった収益については返還の必要なし
  • 生涯現役地域づくり普及推進事業との連携

<実施期間>

3年度内

<実施規模>

一の市区町村:各年度3,000万円
複数の市区町村:各年度4,000万円
都道府県:各年度5,000万円

<支援メニューの例>

【地域連携ネットワーク支援メニュー】

  • 生涯現役社会の実現に向けた地域社会全体の機運醸成
  • 高齢期の雇用・就業に向けた高年齢者の意識改革
  • 退職後の就労や社会参加を希望する高年齢者のニーズ把握
  • 高年齢者のニーズに応じ、適切な関係機関へつなぐプラットフォーム機能(必須)
  • (事業構想の策定主体が都道府県の場合)市町村の地域の団体への事業内容を浸透させる支援メニュー(必須)

【事業主支援メニュー】

  • 人材不足産業や勤務時間等による人材ミスマッチ企業における高年齢者の採用支援
  • 地域の中小零細企業で不足している専門的知識や高度技能を持つ高年齢者の採用支援
  • 高年齢者向けの仕事の切り出しや職域開発の支援

【高年齢者支援メニュー】

  • 高年齢者の就労意欲を喚起し、雇用・就業活動へ誘導するセミナーの開催
  • 高年齢求職者の再就職に資する再就職準備セミナー等の開催
  • 高年齢求職者の再就職に資する資格取得講座の実施
  • 高年齢者による起業に向けた企業スクールの開催

【マッチング支援メニュー】

  • 支援員による個別相談支援
  • 高年齢者の雇用・就業に係る合同説明会の開催

<所感>

高年齢者が健康でイキイキと生涯現役で働くことは、地域の活性化や社会保障負担の減少など、現在の日本での大きな課題への取組ともなります。

しかしながらそういった考え方には、高年齢者の社会的価値に着目する視点が欠如しており、そのような考え方が柱にあると事業は成功しないと感じます。

高年齢者は経験と知識が豊富であり、若い世代にはない能力をたくさん持っています。

何よりも、失敗を防ぐ、成功を導くためには、ツールだけでは解決できない個人としてのエネルギーが必要であり、そういったエネルギーを持った高年齢者は少なくありません。

日本が失われた30年と言われていますが、30年前に何が行われていたかというと、「リストラ」です。

高年齢者を切り捨てるという発想が、今の日本の低成長を招いているという考え方もあるならば、高年齢者の活躍こそが、日本が元気を取り戻すための最重要の施策かも知れません。