金融庁
再保険キャプティブ
キャプティブとは、グループ会社のリスクを専門的に引き受けることを目的として、設立・保有するグループ内の保険会社です。
保険料をグループ会社内で管理でき、グループの事業特有のリスクに応じた柔軟な保険設計が可能といった特徴があります。
グループ内の保険会社がグループ内の企業から直接保険契約を引き受け、企業のリスクを保有する元受キャプティブと、元受保険会社を経由して再保険契約を引き受ける再保険キャプティブがあります。
日本には再保険キャプティブの制度がなく、たとえグループ会社のリスクマネジメントが目的であっても再保険キャプティブを行うためには保険会社の免許の取得が必要となります。
そのため、日本企業はシンガポールやハワイなどで再保険キャプティブを設立していることがあります。
金融庁の資料によると、製造業やエネルギー事業者が建物等のリスクに対して、商社やグローバル製造業が貨物のリスクに対して、医薬品・食品製造業や自動車・機械等製造業が製造物責任リスクに対して再保険キャプティブを活用している事例があるようです。
キャプティブが税金対策とみなされる傾向があるなど、日本ではキャプティブ制度確立には様々な障害がありますが、令和7年12月から令和8年3月にかけて開催された「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」の内容も踏まえ保険制度ワーキンググループでの検討対象となっています。
<所感>
グローバル企業はグローバルで事業を最適化するために、諸外国で独自にリサーチをして、グループ全体にとって最もメリットのある方法を選択します。
グローバル企業は、日本で行うよりも海外で行う方がメリットがある場合は、迷いなく海外を選択するでしょう。
日本市場の相対的な魅力の縮小は、金融においても直接的な影響を及ぼすことになります。
近年、ライドシェア、自動運転、新薬開発など、日本の制度や規制が新たな技術の開発・導入・普及の足枷となることが散見されています。
日本企業とそこで働く人、そして健全で安定的な市場と適正な付加価値から得られる税金を守るという大前提はあるものの、このようなワーキンググループで制度改革着手への検討が進められていることは望ましいことであると思います。