金融庁
電子決済手段の現行規制について
2023年の改正資金決済法でステーブルコインは暗号資産とは異なる電子決済手段として定義されました。
2025年に制定され、2027年1月に施行されるアメリカのジーニアス法よりもかなり前にステーブルコインの規制を定めた画期的な法案と言えます。
ブロックチェーンを活用した分散型金融について、改正資金決済法により、1号暗号資産、2号暗号資産、1号電子決済手段、2号電子決済手段、3号電子決済手段、セキュリティトークン、NFTといった分類が明確になっています。
そして、2026年に成立した改正金融商品取引法により、暗号資産は2027年に資金決済法から金融商品取引法に移管されることになりました。
つまり、ブロックチェーンを活用した分散型金融で決済手段として資金決済法での規制対象となるのは今後ステーブルコインのみとなります。
アメリカでもステーブルコインはジーニアス法、暗号資産はクラリティ法(未成立)と分類されており、国際的な動向とも合致しています。こういった分類においても日本は世界的に規制の枠組みを早期に設けてリードしていることになります。
不特定の者に対して決済手段として使用することができるステーブルコインは改正資金決済法上「1号電子決済手段」となります。
第1号電子決済手段を発行・償還する行為は為替取引となり、資金移動業の登録が必要となります。
さらに送金上限規制が100万円となっており、滞留規制も存在しているなど、その活用において多くの制約があります。
委託者が信託会社等に金銭信託することにより特定信託受益権として発行されるステーブルコインは第3号電子決済手段となり、銀行業免許を持つ信託銀行が発行するステーブルコインについては、上限規制や滞留規制がなく、パーミッションレス、パーミッションドのいずれも使用可能となっています。
ステーブルコインはオンチェーン型金融における決済手段として、大きなポテンシャルを持っていますが、同時にマネーロンダリング含めて、様々な規制が必要な領域でもあります。
オンチェーン型金融という新たな市場を生成していくために、日本でステーブルコインが一般的に流通されるようになる将来が期待されますが、そのためには、資金移動業が発行する第1号電子決済手段の上限規制等の撤廃、または銀行業が第1号電子決済手段を発行可能とする、といった方向性が考えられます。
令和8年11月2日(月)に開催された「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」では、この内容について、資金移動業、銀行業の立場からの説明資料が公開されています。
これまでの銀行による国際決済システムに、オンチェーン型金融がどのような新しい道を切り開くのか、その方向性を学ぶ上で、基本的な事項がすべて詰まっていると言える資料と思います。