Setting the Table 2026年5月12日

国土交通省
上下水道の脱炭素・資源利用の方向性

国土交通省にて上下水道政策の基本的なあり方検討会が開催されています。

第10回は5月15日(金)に開催され、議題は以下となっています。

  • 流域総合水管理における上下水道の今後の方向性について
  • 水ビジネス海外展開・国際協力の今後の方向性について

検討会資料からは上下水道について深く学ぶことができます。

3月18日に開催された第9回の資料から以下を紹介させていただきます。

<水道事業における脱炭素>

  • 水道事業では年間183万t-CO2の温室効果ガスを排出
  • 省エネ設備導入、施設の広域化・統廃合・施設配置お最適化により省エネを推進し2030年度までに約21.6万t-CO2の削減を見込む

【支援内容】

  • 建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業の水インフラにおける脱炭素化推進事業
  • 太陽光発電、小水力発電、省エネ・高効率機器の導入、ポンプのインバータ制御化等の省エネ設備導入に対して地方財政措置

<浄水発生土の有効利用>

  • 浄水発生土の有効利用率100%を目標としており、2023年度実績は79%
  • 農土・園芸土としての利用が29%、セメント原料としての利用が18%、建築改良土としての利用が31%、その他再利用が22%

<下水道事業の脱炭素化>

  • 下水道分野での温室効果ガス排出量は約338万t-CO2であり、自治体の事務事業による温室効果ガス排出の大部分を占める

【支援内容】

  • 消化ガス利用施設、固形燃料化施設の新設等、創エネ事業や焼却の高度化事業への集中的な支援

<下水汚泥の有効利用>

  • 下水の処理過程で発生する下水汚泥はバイオマスとして高いポテンシャルを保有
  • 国土交通省環境行動計画では2030年度までに「下水道バイオマスリサイクル率」45%、「下水汚泥リサイクル率」約85%とする目標値を設定。2024年度実績は各42%、約76%
  • 下水汚泥を発酵させる「コンポスト」や肥料成分リンを結晶化して取り出す「リン回収」により、肥料としての利用が可能

<下水熱利用>

  • 下水は大気に比べ、冬は暖かく、夏は冷たい特質を有するとともに安定的かつ豊富に存在
  • 2015年の下水道法改正により、民間事業者が下水道管理者の許可を受けて、熱交換器を下水道暗きょ内に設置できるよう規制緩和

<所感>

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて各分野での取り組みが続いていますが、上下水道分野での取り組みは多岐にわたっており非常に潜在性が大きいと感じます。

汚泥を利用したバイオマス発電、浄水発生土、下水汚泥を利用した肥料のいずれをとっても、経済合理性がなければ産業での利用は進みません。

化石燃料由来の資源は円安や経済安全保障含めてコストが上がる傾向にある一方で、リサイクル技術導入及び運用のコストが下がっていきます。

上下水道処理施設含め、生活排出関連再利用資源は供給が安定しており規模も大きいです。上下水道における資源利用は、他の分野におけるモデルケースになりうると感じました。