Setting the Table 2026年4月21日

環境省
令和8年度版生態系ネットワーク財政支援制度集

生物多様性が保たれた国土を実現するための、国土交通省・農林水産省・環境省の支援制度がまとまった制度集が公表されています。

農山漁村を中心に、しかし農山漁村に限らず、ネイチャーポジティブを実現するための活動に対して様々な支援が用意されています。

支援制度を一覧で見ることができ、募集時期、活用事例も掲載されているので実用的です。

対象事業の性質上、民間企業が単独で交付対象になる支援制度は限られており、
市町村含めた協議体や組合等が対象となります。

民間企業にとっては、地域の自然を保護・維持・生物多様性保全といった活動の重要性が高まっており、地域の自治体や地域の大学にも地域の企業を巻き込む動きが出ています。

企業や民間団体が地域貢献に取り組む上で、地域の自治体等を巻き込んでこういった支援制度を活用していくという方法もあると思います。

1. 生物多様性保全推進交付金

地域における生物多様性の保全再生に資する活動に対して交付

2. 社会資本整備総合交付金

魚類の遡上・降下環境の改善、河川の自然環境の改善に関する事業に対して交付

3. 農業農村整備事業

農業の構造転換や国土強靱化等を図るための農地の大区画化、水田の汎用化・畑地化、農業水利施設の計画的な更新・長寿命化、省エネ化・再エネ利用、
省力化等による適切な保全管理、ため池の防災・減災対策、田んぼダムの取組拡大等流域治水対策、農道の整備等の農業生産基盤の整備・保全に当たり、農村の二次的自然や景観等への負荷や影響を回避・低減するとともに、良好な環境を形成・維持することへの補助

4. 森林整備事業、農山漁村地域整備交付金

森林の有する多面的機能の発揮に資するため、植栽、下刈り、間伐、 路網整備等への補助

5. 治山事業、農山漁村地域整備交付金

保安林等において荒廃地等の復旧整備等や公益的機能の高い森林の整備・保全への補助

6. みどりの食料システム戦略推進交付金

環境と調和のとれた食料システムの確立に向け、調達から生産、加工・ 流通、消費に至るまで環境負荷低減と持続的発展に向けたモデル的取組の横展開や有機農業の取組拡大、地域資源の循環利用に関する事業に対して交付

7. 環境保全型農業直接支払交付金

農業者の組織する団体等が実施する化学肥料・化学農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動に対して交付

8. 多面的機能支払交付金

農業・農村の多面的機能の維持・発揮を図るために地域共同で行う農地・農業用水等の地域資源の保全や農村環境の良好な保全に資する活動に対して交付

9. 里山林活性化による多面的機能発揮対策交付金

地域に身近な里山林の整備を促進し、森林の多面的機能の発揮や山村集落の維持・活性化を図るため、里山林の整備・活用に取り組む組織の確保・育成、「半林半X」も含めた活動の実践に対して交付

10. 漁場生産力・水産多面的機能強化対策交付金

多面的機能の一つである環境・生態系の保全機能として藻場・干潟・内水面等の維持を図るために漁業者等が行う活動に対して交付

11. 水産環境整備事業

水産生物の生活史に対応した藻場・干潟から沖合域までの良好な生息環境空間を創出する水産環境整備を推進。漁場の整備と水域の環境保全対策を総合的かつ一体的に実施する事業に対して交付

12. 生物多様性保全推進交付金

国立公園等における、自然観光資源を活用した地域活性化を推進するための、魅力あるプログラムの開発、ガイド等の人材育成などの地域のエコツーリズムの活動に対して交付

13. 地域循環共生圏創造基盤構築事業

各地域が自立・分散型の社会を形成し、地域資源等を補完し支え合う「地域循環共生圏」の創造を強力に推進するため、地域において地域循環共生圏づくりに取り組む団体(=活動団体) と、その団体への中間支援を行う主体(=中間支援主体)を募集し、伴走支援と財政支援の提供により地域循環共生圏づくりの支援体制の構築を図る 

14. 良好な水環境保全・活用モデル事業

水環境の適切な管理・良好な環境の創出を目的としたモデル事業に対して交付する 

15. 戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業

藻場・干潟等の保全・再生・創出において着実に成果を創出するとともに、 地域特有の手法により地域資源を利活用することで、保全と利活用の好循環を実現するための持続可能な里海づくりの基盤構築を、地域団体とともに戦略的に目指すものに交付する

<所感>

民間が主体となって行う経済活動に対して様々な補助や助成の支援制度がありますが、そういった支援制度は新しい産業や企業を育成したり、デジタル化などイノベーションを育成・推進するために行われます。

一方で生態系ネットワーク財政支援は、新しい技術ではなく、昔から維持されてきた、人間が破壊する前の環境を維持するために行われるものとなり、特定の企業に対して行われるのではなく、地域の活動に対して行われるものになります。

この経済活動への支援と、生態系ネットワークへの支援には、対照的な面があると思います。

社会全体が、経済活動重視ではなく、環境保護重視になっていく中で、支援制度のあり方も変わっていくことになると思います。

地域企業にとって、こういった枠組みに積極的に関与していくことの重要性は高まっていくと思います。