Setting the Table 2026年10月22日

内閣官房防災庁設置準備室
防災庁が担う具体施策の方向性

防災庁設置準備アドバイザー会議(第9回)が令和8年10月21日に開催され、防災庁が担う具体的施策の方向性に関する資料が公表されています。

事前防災、災害緊急事態対処、復旧・復興、支援体制、普及啓発・防災、情報発信、人材育成、防災産業、国際協力といった内容が網羅されており、いかに災害の予防、災害への対策、災害後の復旧がいかに大きく重要なテーマであるかということを改めて感じることができます。

以下抜粋します。

【大規模災害に対する事前防災の推進】

  • 定量的弱部分析を通じて、社会・地域の弱部を明らかにすることで必要な対策の企画・立案を行う
  • 各施策の進捗を把握した上で、防災庁が司令塔となって勧告権も背景に関係省庁と連携して取り組みを推進することで事前防災の徹底を図る

【円滑かつ迅速な災害緊急事態対処】

  • 政府・現地対策本部の設置運営や関係省庁間の総合調整を実施
  • 活動拠点や通信環境を始めとした初動体制の確保を推進
  • 衛星・ドローン等のデータ活用、
  • 対応手順の標準化、訓練・事前調整
  • 船舶、人材資器材を平時から確保し、災害時等に船舶を活用した医療提供を実施する体制を整備
  • 人材育成・確保、訓練・運用検証等を通じて、更なる実効性向上と医療提供体制の充実を図る

【早期の復旧・より良い復興の実現】

  • 被災地ニーズの一元的な把握
  • 各種復旧・復興事業の進捗把握や対策の促進
  • 分野横断的対応に係る総合調整
  • 平時から事前復興の概念を踏まえた検討 

【被災者に寄り添った支援体制の構築】

  • 避難生活環境の抜本改善を図るとともに、要配慮者の視点を踏まえた避難所運営について被災者に寄り添った支援を実施する
  • 被災者一人ひとりに必要な支援を届ける災害ケースマネジメントを推進するため自治体における平時からの実施体制の構築を促進する
  • 被災者の命・健康・尊厳を守るために必要な物資が迅速かつ確実に調達・配送される物資支援体制の構築を図る
  • 地方公共団体が実施する国民保護法に基づく避難住民等への救援について、的確かつ迅速に支援する
  • 災害発生後における応急期から復興期まで災害救助法による救助や在外対応車両登録制度の運用
  • 円滑な罹災証明事務の推進や各種支援制度の運用等の取り組みを通して、被災者の生活再建に関する施策の推進を図る

【デジタル防災技術の徹底活用】

  • 防災デジタルプラットフォームの機能強化による強靭な情報流通基盤の確立
  • 被災者一人ひとりの状況に応じた、モレ・ムラのない伴走的支援の実現
  • 官民連携のデジタル人材派遣体制の整備等による被災地の災害対応力の向上

【国民の行動変容を促す普及啓発・防災教育】

  • 普及啓発コンテンツのさらなる充実やイベントを開催するとともに、戦略的・総合的なコミュニケーションデザインについて検討・実行 
  • 幼児期から義務教育期における実践的な防災教育を関係省庁と連携して推進
  • 防災の担い手の発掘・育成や地区防災計画の作成を推進するなど、全国の地域における防災活動の底上げを図る

【戦略的な防災情報発信】

  • 平時において個々人の属性や状況に応じた情報を発信し、高い防災意識を醸成する
  • 災害発生時において、国民一人一人が命を守る行動を取ることができるよう、正確な情報を適時・的確に発信する

【産官学民連携体制の構築】

  • 産官学民の総力により、国難級の災害の被害を軽減
  • 避難生活環境をはじめ、大規模災害時等の災害対応の質を向上
  • 第一線で活動する職員等の負担を軽減

【体系的な人材育成システムの充実・強化】

  • 防災に関する幅広い経験や専門知識、関係者間のコーディネート力を有する行政職員や民間人材など体系的な防災人材の育成を行う
  • 防災人材に関するデータベースの作成や、実践的な訓練等の推進により、関係機関が連携し、災害対応に臨む体制を構築する

【防災技術の研究開発・実装、防災産業の発展】

  • 先端科学技術等の徹底活用による災害対応の効率化・高度化を通じた被害最小化
  • 防災技術に関する好循環の創出による防災産業振興

【国際防災協力の推進】

  • 国連、G 20を通じた防災分野の国際協調
  • アジア太平洋地域を中心とした防災力向上支援
  • 防災技術の海外展開
  • 大規模災害時の海外からの支援受入れをも想定した二国間関係の構築
  • 日本企業の防災分野の海外売上総額を2024年の約1兆円から2030年に約2兆円にすることを目指す

<所感>

防災は、見えない脅威に対する備えであり、災害対策は現実に発生した脅威への対応です。
これらの取り組みは、自然災害や感染症の流行だけでなく政治・経済含めてあらゆるシーンで共通して存在するテーマなので、防災庁の対応する範囲は非常に広いと思います。

例えば現在AI技術の進展で起こっているサイバー攻撃への対応は防災庁の対応範囲ではないと思いますが、防災庁で確立する支援体制、情報発信、産官学民連携体制、国際協力などは機能できる部分があると思います。

変化が早く、脅威が大きい時代、デジタル庁・防災庁など、行政組織にあって各組織を横断する機能をもつ機関の役割が重要になっています。

現在省庁で分断されている機能や情報が、テーマに応じて活用されるようになると、国としての総合力が高まり、結果として産業としても発展していくことになるのではないか、と期待できます。