Setting the Table 2026年5月21日

消費者庁
適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン

消費者団体訴訟制度は、すべての消費者のために消費者団体から申立てをする制度であり、制度に基づき、差止請求・集団的被害回復といった手続きを行使するために必要な適格性を有する消費者団体を適格消費者団体・特定適格消費者団体と言います。

令和8年4月末時点で適格消費者団体は全国に27団体あり、そのうち4団体が特定適格消費者団体として認定されています。

例えば、会員を不利に扱うような条項がある会員規約などについて、個人からの規約の訂正を申し入れることが難しい場合でも、適格消費者団体からの申し入れによって自主的に改善すされたケースなどがあり、裁判のための訴訟費用や費やす時間を考えると消費者にとって利便性が高い機能を有しています。

消費者団体として訴訟の当事者になれるため、誇大広告ということで広告の中止を申し入れ、改善されないため適格消費者団体が裁判所に差し止めを請求するといったことも可能です。

消費者庁から、適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドラインが公表されています。

<法人格>

適格消費者団体として認定されるためには、特定非営利活動法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人である必要があります。

<団体の目的>

消費生活に関する情報の収集及び提供
並びに消費者の被害の防止及び救済のための活動
その他の不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うこと 

団体の構成員の相互扶助を主たる目的とする団体は要件に適合しない。

【不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動の例示】

  • 消費生活相談、助言及びあっせん
  • いわゆる110番活動
  • 消費生活に関する情報の分析、評価及び提供
  • 消費者啓発のための教材、パンプレット又はリーフレット等の開発又は作成
  • 学校、地域等において行われる消費者教育への協力
  • 消費者被害の救済結果に関する事例集の作成及び公表
  • 消費者被害の防止に関する研修会、講演会、シンポジウム又はセミナーの実施
  • 事業者の不当な行為に対する改善の申入れ
  • 事業者の不当な行為に対する行政措置の発動の申入れ
  • 消費生活に関する事項について事業者又は国若しくは地方公共団体との間で行う意見交換
  • 消費生活に関する意見の表明又は政策提言

<体制>

適格消費者団体に具体的な機関又は部門その他の組織が設置され、業務の適正な遂行に必要な人員がそれらの組織に必要な数だけ配置されていること

これらの組織の事務分掌、権限及び責任並びに事務の遂行に従事する役職員や専門委員等の選任・解任の基準及び方法が定款又は業務規程において適切に定められていること

組織及び人員等が整備されていることに加え、申請者自体の社員数についても、少なくとも会費を納入する等により活動に参加している者が100人以上存在していること

<所感>

消費者団体という言葉から、特定の政党との結びつきを感じやすいですが、実際には適格消費者団体はガイドラインに記載されているように厳格な基準で認定が行われていて、消費者の保護で重要な役割を果たしている組織となります。

ネット経由での契約が増えており、個々の消費者は契約交渉する機会が実質的になく、規約等を一方的に受け入れることが多くなっています。
適格消費者団体に期待される期待はこれからますます高まっていくと思います。

現在は地域単位の組織が多いですが、ネット経由での契約の場合は地域単位ではなく、また支払手段も多様化していることから、特定分野に特化した適格消費者団体も今後必要になってくるかも知れないと感じます。