Setting the Table 2025年6月5日

経済産業省
ファミリーガバナンス・ガイダンス

創業200年以上の歴史を持つ家族経営企業がのみで構成されるエノキアン協会という組織があります。

フランスを拠点としていますが、日本企業が多く加盟しています。

帝国データバンクによると、日本には100年以上の歴史を持つ企業が4万5000社以上。
もちろんこの数は世界で圧倒的No.1です。

そしてこの100年企業のほとんどがファミリー経営です。
企業でなくて個人事業も含めると、その数はもっと多くなると思います。

世界には、P&G、HP、ウォルマートなど創業者の名を冠している企業はたくさんあります。
しかしながらファミリー経営で永続していくことは決して簡単ではありません。

ファミリー経営については、多くの研究者がその利点を分析しています。

例えば、株式を上場すると株主の意向を反映することが大切になりますが、ファミリー経営ならば株主の意見に左右されることなく、長期的な視点で経営ができます。

ドイツのBoschのように創業家と公益財団が株式を保有することで、ファミリー経営を維持している事例もあります。
日本にもヤンマーや日亜化学のようにファミリー経営が引き継がれている大手企業があります。

とはいえ、ファミリー経営のほとんどが、中堅・中小企業です。
この経済産業省のファミリーガバナンス・ガイダンスは、ファミリー企業の強みに着目し、特に中堅規模以下のファミリー企業の弱みであるガバナンスを補うために、模範となる規範を提供しています。

ファミリー憲章・ファミリー集会といったユニークな表現が使用されており、ガバナンスについて従来とは少し異なる視点で取りまとめられている点が印象的です。

特に、ステークホルダーに「地域社会」があり、「地域社会への貢献はファミリービジネスの大きな特長の一つである。」と述べている点、とても共感します。

世界では、革新的なイノベーションで巨額の資金調達を行い、急速に成長する企業が注目されますが、100年、200年と事業を続けて、地域社会にとってなくてはならない存在になっている企業も、同じように貴重です。

100年間、毎年1%ずつ成長を続ければ、その成長は倍以上です。100年間の地域社会への貢献度は計り知れないと言えるでしょう。

今の時代にあって、ユニコーンの数を追い求めるばかりではなく、ファミリー経営にも着目した点、さすが日本と思います。