Setting the Table 2026年7月13日

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UN Environment programme
“What is nitrogen pollution”

UNEPより、二酸化窒素は大気汚染の脅威度は二酸化炭素の300倍、というアーティクルが公表されています。

窒素は土壌、私たちの食物、私たちの体を形作るDNAそのものを形成している重要な物質です。
窒素は大気の78%を占めているのに対して、そのままでは取り込むことができず、反応性窒素に変換される必要があります。

窒素を反応性窒素に変換する役割は大豆の根粒菌などに代表される植物が担っています。

約100年前にハーバーボッシュ法が開発されて人類は、反応性窒素を化学的に製造することができるようになり、増加する人口を賄えるほどの肥料を人工的に製造することで、農業や畜産の肥料・飼料を賄ってきました。

人工的に製造された反応性窒素の80%である約2億トンが、土壌、河川、大気中に流出しオゾン破壊や気候変動をもたらしているとのことです。

このアーティクルでは、大気や土壌中の窒素がどのように反応性窒素となり、タンパク質として動物に吸収され、そして再び微生物によって窒素に分解されて大気や土壌に戻るか、という科学的なプロセスがまず説明されています。

そして自然のバランスを超えて人工的に製造された反応性窒素が、気候変動、自然及び生物多様性の喪失、そして環境汚染をもたらしているということを非常にわかりやすく説明しています。

そして、アジアでは、わずか1987年から2014年のわずか27年の間に、窒素肥料の使用は倍増しているとのことです。

窒素は年間65テラグラム消費されており、その68%が食料のために、とくにその50%が三大穀物、つまり小麦、とうもろこし、米の栽培に使われています。

これらの穀物は人間の食物としてだけでなく家畜の飼料としても消費されています。

もちろん化石燃料の消費や山火事も、窒素汚染の大きな原因です。これらにより発生する二酸化窒素はオゾン層の喪失ももたらしています。

土壌や河川に侵出した反応性窒素は土壌や海洋を汚染して生態系のバランスを破壊しています。

これらの問題に対して、このアーティクルではUNEPが2022年に公表した”Sustainable nitrogen management”について言及し、政府、民間セクター、金融、農業従事者、公共セクターがどのように関わっていくかを述べて締め括っています。

<所感>

日本ではNoXがもたらす大気汚染について言及されることはあっても、反応性窒素がもたらす様々な環境破壊については他の問題ほどフォーカスされていないと感じます。

これはちょうどこのアーティクルが説明している、アジアでの人工肥料の使用が倍増した期間中、食料の輸入依存度を高めてきており、自国内では深刻な窒素汚染が発生していないためではないかと感じます。

このことは窒素汚染の問題を自国から他国にすげ替えているに過ぎず、このままでは、結果としてもっと大きな問題として自国に戻ってくると思います。

一方で、食糧安全保障を踏まえて、食料自給率を高める方向で動いて肥料の使用量が増大したときに窒素汚染を防止するための仕組みが構築できていない可能性もあると思います。

行政の関係部署はこれらの窒素汚染については十分認識済みと思いますが、食料の消費者である私たち一人ひとりも、もっとよく知っておくべき問題だと感じました。